男装の勇者
第四話:王女と王子と騎士と
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さい。それでは??」
カミュ
「───待てよ、グレイグのおっさん。あんたとは少し話がある、まずは外に出ようじゃないか」
カミュに呼び止められたグレイグは、天候の穏やかな外で少しばかり話す事になった。小屋を出て行く際、意識無くベッドに横たわっているジュイネがうわ言のようにグレイグの名を呟き、それを聴いたグレイグは胸が締め付けられる思いだった。
グレイグ
「??俺も一度、お前とは話してみたいと思っていた。何故、デルカダール城の地下牢から共に逃げジュイネを助けたのだ?」
カミュ
「オレには、勇者様のチカラが必要なんでね。それ以上はあんたには言えない」
グレイグ
「ジュイネは、その事を理解しているのか?」
カミュ
「あぁ??あいつにも詳しくはまだ話しちゃいないが、オレが勇者のチカラを必要としてるのは知ってる。その上で、仲間として協力し合ってるんだ」
グレイグ
「最終的には、己が目的の為にジュイネの勇者のチカラを利用しようと言うのか」
カミュ
「オレの見立てじゃまだジュイネは、勇者として目覚めきれていない。あいつが勇者のチカラを真に発揮出来るようになるまでは仲間として助けてやるだけだ」
グレイグ
「目的を果たしたら??ジュイネとはどうするつもりなのだ」
カミュ
「さぁな??そこまでは考えちゃいねぇよ。さて、今度はオレがあんたに聞く番だ。あんたは、ジュイネが男装の勇者だから見逃してやってるのか?」
グレイグ
「性別は??関係ない」
カミュ
「本当かよ、地下牢でのジュイネに対する気遣いっぷりは異性に対するものだぜ。だから敬意を払ってるようにも見えた、兵士達がジュイネを脱ぐ脱がせないの話でな」
グレイグ
「????」
カミュ
「ジュイネの育ったイシの村の件もそうだ、村人全員あんたの意向で城の地下牢に生かしてるそうじゃないか。悪魔の子として追ってる相手の育った村の人々にまで、そこまでする必要あるか? ジュイネに対して、特別な感情を抱いているようにしか思えねぇがな。例えば、籠愛的な」
グレイグ
「(籠愛、かどうかは知らんが??特別な、感情??これが、そうだというのか)」
カミュ
「??否定しないって事は、そうなんだな。あいつも何かとあんたの事気に掛けててな、今度いつ逢えるんだろうとか、王様に酷い事されてないかなとか言ってたぜ」
グレイグ
「そ、それは本当かッ?」
カミュ
「何だ、嬉しいのかよ」
グレイグ
「そういう、訳ではない??」
カミュ
「ついさっきも高熱に魘されながら、あんたの名前を何度もうわ言のように呟いてたからな??村人の件が無けりゃ、速攻ジュイネの仲間になってたんじゃないかあんた」
グレイグ
「─
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