男装の勇者
第三話:仮面武闘会
[20/21]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ーオーブを受け取って、もう町から旅立ったそうだわ。せめてちゃんとお別れくらいしたかったわね」
ジュイネ
「そっか??(結局あの二人は、何者だったんだろう。いい人達なのは間違いないけど)」
そしてハンフリーとジュイネは仮面武闘会待合室で挨拶こそするもののどこか気まずく会話が進まないまま、闘技会場にて優勝セレモニーが始まった。
司会者
「───それでは! 仮面武闘会を制したハンフリー&ジュイネチームには優勝賞品の虹色の枝を贈呈??」
ハンフリー
「ちょっと待った。??ここはチームとして優勝した者同士、エキシビションマッチと行こうじゃないか。勿論、勝った者だけが虹色の枝を手にする事が出来るんだ」
ジュイネ
「えっ???」
司会者からエキシビションマッチが伝えられると会場は大いに盛り上がる。
ジュイネ
「ハンフリー、どうしてそんな」
ハンフリー
「いいんだ、エキスの力を借りない俺の実力を観客に見せしめる良い機会さ。??遠慮は要らないぞジュイネ、どちらが本当に強いかはっきりさせようじゃないか!」
爪装備を構えるハンフリーと、剣を構えるジュイネ。
ジュイネ
「??!」
───エキシビションマッチとは到底言えないほど、呆気なくハンフリーはジュイネに敗れ、会場はざわめく。
ハンフリー
「ハハ??俺の実力なんて、こんなもんさ。俺はこれを機に闘士を引退する、そもそも??闘士である資格すらないから、な」
踵を返し退場して行くハンフリーに、温かい声援が送られる。それは、例え正攻法でなくともこれまでいい試合を見せてくれたせめてもの観客からの感謝の気持ちだったらしく、それを受けたハンフリーは罪悪感と共に涙を流しつつも背筋を伸ばしその場を後にした。
司会者
「??何とも波乱の多い大会ではありましたが改めて! 真の優勝者であるジュイネさんに虹色の枝の贈呈を」
ジュイネ
「(真の優勝者って??複雑すぎるけど)」
大会関係者
「た、大変です! 虹色の枝が??いつの間にか何者かに盗まれました!!」
ジュイネ
「えっ、えぇ????」
大会関係者
「そ、それでジュイネさん??あなた宛に、手紙が残されてまして」
ジュイネ
「僕に、手紙???」
内容を見ると準優勝者の謎の老人ロウからの手紙だったらしく、そこには虹色の枝が欲しければユグノア城跡まで来てほしいという丁寧な文字が綴られていた。
ジュイネ
「(ろ、ロウさん??どういうつもりなんだろ。それに、マルティナさんは───)」
仮面武闘会は大波乱と共に幕を閉じ、大会組織委員会からは謝罪をされつつも優勝賞品はご自分で取り戻して下さいとの事だった。
??優勝セレモニー後、すぐ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ