男装の勇者
第二話:騎士たる者の誇り
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いいのかしら? サソリちゃんに一太刀も浴びせてないのに」
ファーリス王子
「仕方、ないだろ??民も父上と母上も、実際見てもいないのにボクがデスコピオンを倒したって事にすればそれだけで喜ぶんだから??」
カミュ
「お前それ??、人のせいにして努力もせず他人に頼ってるだけじゃねーかよ」
ベロニカ
「やめときなさいって??それ以上ほんとの事言うと王子様が可哀想よ」
セーニャ
「ファーリス様??この件で余計に過度な期待が高まってしまいます。私達のように協力してくれる旅人がまた現れるとも限りません。どこかで見切りをつけて本当の自分をさらけ出さないと、あなた自身がいつか壊れてしまいますよ」
ファーリス王子
「(本当の、自分??そんなの見せたら、民も父と母も失望して───)」
ジュイネ
「ファーリス王子、僕達は虹色の枝の件が済んだらサマディーを離れるから??これ以上先延ばしにしないでくれると助かるよ」
ファーリス王子
「わ、分かってるさ??キミらをこれ以上引き止めたりしない??(出来ればボクのお付としてずっと居てもらいたいくらいだけどな)」
シルビア
「さ〜て、アタシはここでお別れにしようかしらね、またいつか会いましょ、ジュイネちゃん達! アデュー♪」
ベロニカ
「え、ちょっと??! 急に現れて急に居なくなる人ね、結構頼もしかったのに」
セーニャ
「そうですね??シルビア様とは近い内にまたお会い出来そうな気がしますわ」
カミュ
「ま、とにかくオレ達はサマディー王国に戻るとするか」
サマディーの城下町では国民と王と王妃が待ちわびており、ファーリス王子が先に帰還しその後に鎖に繋がれて動かないデスコピオンが台車で運び込まれると大歓声が上がった。王と王妃に労われるファーリス王子だが───その時、
デスコピオンを縛っていたはずの鎖がほどけ倒したはずのデスコピオンが息を吹き返したように暴れ出し、民と王や王妃はファーリスが再び倒してくれると信じて疑わずに期待の目を向け、当のファーリスは腰の剣も抜けずにガクブルと震えており、そうしている内にもデスコピオンはファーリスを標的に定め鋭い鎌を素早く振り下ろす。
ファーリス王子
「ひっ??!? ───え?」
ジュイネ
「もう??、世話が焼けるなぁ、君は??っ」
ファーリス王子
「ジュイネ、さん??!?」
デスコピオンの鋭い鎌からジュイネがファーリスを庇い、その背中はざっくりと裂かれていて鮮血が滴り民衆から悲鳴が上がる。
ファーリス王子
「二度も、身を省みずにボクを庇ってくれるなんて??どうしてキミは、そこまで───」
シルビア
「騎士たる者!」
ファーリス王子
「???!?」
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