男装の勇者
第二話:騎士たる者の誇り
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良く通る声が頭上から響き渡り、ファーリスが顔を上げた先には尖塔に立つ旅芸人の威風堂々としたシルビアの姿が。
シルビア
「───騎士たる者!!」
ファーリス王子
「どんな、逆境にあっても??正々堂々と、立ち向かう??!」
そこで意を決したようにファーリスは剣を引き抜き、おぼつかない足でデスコピオンに立ち向かい剣を振り回すも中々当てられず、攻撃を何とか避けつつ一太刀を浴びせた時には剣が折れ飛んでしまい、咄嗟にファーリスは近くに倒れ込んでいるジュイネをデスコピオンから庇うように覆い被さった。
シルビア
「よくやったわファーリスちゃん、後はアタシに任せなさい! ───せーいっ!!」
尖塔から勢いをつけて飛び降り、旅芸人シルビアはデスコピオンに剣で大きな一撃を浴びせ、今度こそ断末魔を上げて頽れたデスコピオンはその後ぴくりとも動かなくなった。
シルビア
「ほらね、アナタだってやれば出来たでしょ?」
ファーリス王子
「あ、あ??ありがとう、シルビアさん??!」
シルビア
「お礼はアタシじゃなくて、ジュイネちゃんにする事ね」
セーニャ
「ジュイネ様??! いくらファーリス様の為とはいえ、無理をし過ぎですわっ」
回復呪文を背中に掛け続けるセーニャ。
カミュ
「(ジュイネならあれくらい剣で受け止められたはずなのに、わざとデスコピオンの鎌を受ける事にしたのか??ファーリス王子を突き動かす為に)」
ベロニカ
「あーもう、双賢の姉妹として勇者を護る使命を持つあたし達の立つ瀬がないじゃないのっ」
ジュイネ
「ごめん、みんな??心配かけて。うっ、ごほごほ??!」
少量ではあるがジュイネは吐血する。
カミュ
「お、おいセーニャどうなってる? ジュイネに回復呪文効いてねぇのかッ?」
セーニャ
「おかしいですわ??中々傷が回復しないのは毒が回ってるせいだと思い解毒呪文も使ったのですが、効果がありません??。このままでは危険ですわ、きちんとした解毒薬を調合しないと!」
シルビア
「デスコピオンったら、死んだ振りして反撃の機会を伺ってた上に手負いの魔物の意地かしらね、ジュイネちゃんに鎌を当てた際に特殊な猛毒を与えたのよ。砂漠の殺し屋と呼ばれるだけあるわね??」
ファーリス王子
「そんな! ジュイネさんはボクのせいで死んでしまうのか???!」
ベロニカ
「ちょっと、勝手にジュイネをころさないでよ! セーニャとあたしで強力な解毒薬を作るにしても少し時間が掛かるわ??この地方の貴重な素材をすぐありったけ掻き集めてちょうだい!!」
ファーリス王子
「それくらい任せてくれ! 多くの兵士達に任せれば───いや、ボクも自分の足で掻き集めるよ! 待っ
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