暁 〜小説投稿サイト〜
銀河を漂うタンザナイト
テルヌーゼンと会議室と・・・
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真似を!!」
「えっ!?ちょ、ちょっと待ってください!あなた方は何ですか!?」

ユリアンが抗議の声を上げるも男たちは無視して二人の方に駆け寄っていく。ただならぬ雰囲気を察したのかクロパチェクは手近にあった内線電話に手をかけようとしたが

「フロントに電話をかけさせるな、押さえろ!!」
「おう!」

と、一人が叫ぶと、クロパチェクを力任せに抑えにかかる。そしてもう一人の男がヤンの方へ近づいてくる。

「この野郎!!」

男はそう言って殴りかかろうとしたが、ヤンはその拳をあっさり避けると逃げ出そうともがきだす。

「提督!!」

剣呑な雰囲気を感じ取ったユリアンはヤンのトランクに手をかけると、開けて中からブラスターを取り出して暴漢たちに向けて構える。
男たちもそれに気づきユリアンに向けて近づこうとし、あわやと思われたその時

「やめなさい!?何をしてるの!!」
「やぁ、ジェシカ・・・」
「ごめんなさい、ヤンこんなことをしてしまって・・・」
「本当だな…ウッ、痛い…」
「ヤン・・痛む・・・?」
「いや、たいした事はないさ」
「本当にごめんなさいね・・・彼等がここに押しかけると聞いて慌てて貴方たちを助けないと、と思って駆けつけたんだけど…」
「いや、十分間に合ってるよ。おかげでユリアン君が殺人を犯さずに済んだ」
「クロパチェク、言い過ぎだ」
「…すまん」
「気にしないで、今回のこれはさすがにやり過ぎだわ。まったく…」
「それで?一体何があったんだい?」
「うん、実はね・・・」

と、ジェシカは事の顛末を話し始める。
それは、先ほど選挙報道により票が主戦派のトリアチ候補に流れたことを知った反戦派候補の運動員の一部が、自分達が支持するソーンダイク候補に有利な状況を作り出すために動いたことから始まる。彼らはヤン達が応援に来た事が原因で反戦派が不利になっていると判断し、彼ら二人を誘拐して主戦派陣営が関連する士官学校創設式典への出席をやめるように脅迫しようとしたのだ。しかし、それを察知したソーンダイク候補からの指示を受けたジェシカはその運動員たちの説得に赴いたが…

「まぁ、そういうわけなのよ」
「なる程、そういう事だったのかい。それならそうと早く言ってくれればよかったのに」
「ごめんなさい、まさかこんなことになるとは思わなかったのよ」
「まぁ、いいさ。公にはしないさ」
「そう、そのついでにもう一ついいかしら」
「条件による」
「明日の式典には出るのなら、もしよければ出ないで欲しいの」
「それは無理だよ。残念な事に私は軍人だ。上層部の命令に逆らうわけには行かない」
「ヤンと同じく、それに一度始めたことを投げ出すのは性に合わない」
「そうね。ラップも同じような事をいっていたわ・・・そう。
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