テルヌーゼンと会議室と・・・
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ぶりです、クロパチェク少将」
「君も元気そうでなによりだユリアン君。ところでヤン、お前が空港に来るなんて珍しいな」
「うん、ちょっと用事があってね」
「ふぅん、そうなのか。そういえば今日はテルヌーゼン士官学校の創立記念式典があるが、お前もでるのか?」
「ああ、その通りさ。だから来たんじゃないか」
「あぁ…、お前もでるのか」
クロパチェクは露骨に驚いた顔をする。
「なんだい、私がいたんじゃ迷惑かい」
「そうじゃないけどな。お前、式典とか嫌いだったろ。よく出ようと思ったなって思ってさ」
「仕方が無いだろう、招待状が来たんだから。それより君はどうなんだ?」
「俺か?狸、じゃないシトレ本部長の命令で出席させられた。ついでに少しばかり壇上に立って話せとさ」
「あぁ……、それはご愁傷様だね」
「全くだ。あの狸おやじめ…」
「まぁ、いいじゃないか。君なら上手く切り抜けるだろう。ところで時間はまだあるのかい?」
「いや、あと10分すればテルヌーゼン行きの便が着くな」
「そうか、じゃあそろそろ行かないとまずいな」
「そうだな、急いだほうがいいと思うぞ」
「わかった。じゃあ私はこれで行くとするよ。また後で会おう」
「ああ、会場でな」
そう言って二人は別れた。それからしばらくして彼らの乗った便はテルヌーゼンに向けて飛び立ったのである。
それから数時間後…。
『ご搭乗中の皆様へ、本便は間もなくテルヌーゼン空港へ到着します。繰り返します、本便は間もなく…』
アナウンスが流れると乗客達は荷物をまとめて降りやすいように席を立つ準備を始めた。やがて機体はテルヌーゼンの空港へ着陸した。ドアが開かれて乗客たちは続々と外へ出て行った。クロパチェクもその流れに乗って外に出た。そして飛行機を降りて空港の中に行くとカメラを持ったマスコミ陣が大勢いた。
『お見えになったわ!』
『おい来たぞ、時間通りだ!!』
『間違いない、あの方だ!!エル・ファシルの英雄だ!!』
マスコミ陣は口々に叫んでいる。クロパチェクは急に騒がしくなったのを見てげんなりとした気分になる。最も彼の隣を歩いていたヤン・ウェンリーよりはましだっただろうが…。
「やれやれ、何だってこんな騒ぎに……」
「まぁ、おまえは有名人だからな」
「そりゃそうだけれど…」
「諦めろ、英雄殿」
「やめてくれないかなぁ……」
「ま、いいじゃないか。こういう時は堂々としてりゃいいんだ」
「う〜む、そういうもんかね……」
「そういうもんだよ」
そうこうしているうちにマスコミ人の中から一人の男が出てくる。
「いやぁようこそテルヌーゼンへ、このレイモンド・トリアチ、歓迎いたしますぞ。さぁ此方に・・・」
「あぁ……、これはどうも……」
「いやぁ、どうも…
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