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今年の夏休みもどこかへ泊りに行こうかと、穣一郎さんに聞かれたけど
「あのー 今年は、私 いちごをどこかへ連れて行ってあげたいの あの子 旅行なんて、ずーとしたことないのよ 修学旅行も中止になってしまったでしょ それに、勉強ばっかりで、かわいそうだから」
「そうか 君は 妹思いだね まぁ 僕達はなんとかすれば、いつでも行けるしなー わかった、今年は、いちごちゃんと行っといでよ お母さんもか?」
「ううぅーん そんな気になんない あの人は時々、誰かさんと楽しんでいるものー」
「相変わらずだね その言い方」
いちごに話した時、すごく喜んでくれた。そして、いちごに水着を買ってあげて、お揃いのワイドパンツとフレンチ袖のブラウス、いちごはサスペンダーを付けると言っていた。お母さんに、話すと、良いわよ行ってらっしゃいよ、と、あっさりしたもんだった。多分、私達が居ないので、男を呼ぶのかも知れない。
その日は、朝、二人でお昼のおにぎりを作って、持って出た。南大阪からジェット船に乗って淡路島に渡る予定だった。
「お姉ちゃん ウチ 船乗るのって初めてかも・・楽しみー」
そんなことは無いのだ。まだ、お父さんが居た時、家族で伊勢の方に海水浴に連れて行ってくれたことがあった。その時、小さな島に船で渡ったのだ。いちごは、まだ、小さかったから覚えていないのだろう。だけど、その時とは変わってしまって、いちごと二人っきりなんて・・。
お盆も過ぎていたので、幸い海水浴場が近い宿も取れたのだ。コロナのことがあって、お客さんも少ないのかも知れない。お昼前に着いて、着替えだけさせてくれて、私達は海水浴場に歩いて、松林の木陰で、持ってきたおにぎりを食べて、二人でビーチマットを膨らませていたら
「良かったら、これで膨らませてあげるよ そんなに小さいポンプじゃぁ大変だよ」と、さっきから、私達をチラチラ見ていた4人組の男の人達の一人が近寄ってきた。
「お姉ちゃん どうしょー」と、いちごが聞いてきている間に、もうその大きなポンプの先を突っ込んでいた。
「あんた等 姉妹なんか? 似ているよ 俺等 大阪から来たんだ 大学3年 みんな違う大学だけどね ふたりだけで来ているの」
「ええ 私達も大阪から 家族と来たけど、両親はホテルに居ます」と、私は、その人が黒いマスクだったし、警戒してたから、ふたりだけって言いたくなかった。
「そうなんだー でも、美人だよねー ふたりとも ねぇ 一緒に泳ごうよ せっかくなんだからー」
「なんにも せっかくじゃぁないと思うけど・・ ネ あっ 空気ありがとうございます 助かりました でも、妹とゆっくり 泳ぎたいの ごめんなさい」
「お姉ちゃん いいじゃん 多いほうが楽しいよ」と、いちご
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