第三十話 部活をしてその十三
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「それでそんなこと言ってたのよ」
「感謝しない人だったの」
「お料理作ってもらっても甘いとか辛いとかね」
「文句ばかりだったのね」
「本を貸してもね」
それでもというのだ。
「ああだこうだってね」
「文句言ってたの」
「それも偉そうにね」
「最低な人ね」
「爪切りまで言うってわかるでしょ」
母は一華にこうも言った。
「器が小さいでしょ」
「爪切りまで言うなんてね」
「そんなことまでお世話になっていて感謝しないでね」
「凄い恩知らずね」
「それで爪切りまでどうにも出来ないしない甲斐性なしで」
娘にこのことも話した。
「それを他人に言ったのよ」
「恥ずかしいわね」
「無神経でね、恥知らずな」
「それでそうした人の人相も目の光もなの」
「酷いものになってたわ」
「どうしようもない人ね、それでその人どうなったの?」
「お仕事しないよね」
母は娘にこのことから話した。
「それじゃあね」
「お金なくて」
「家賃とか払えなくなってね」
「追い出されたの」
「サラ金にまで手を出したけれど」
「その尻拭いを他の人がしても」
「やっぱり感謝しないで一旦ホームレスになって」
そうなってというのだ。
「見付けてももらってお仕事紹介されても」
「働かなかったのね」
「それで感謝もしないで」
「文句ばかりだったのね」
「そうだったのよ」
「じゃあ誰からも見捨てられるわね」
一華は眉を顰めさせて言った。
「絶対に」
「そうなったわ」
「やっぱりそうよね」
「それで今行方不明よ、年金も支払ってなかったし」
「じゃあ路頭に迷って」
「まあ今頃はね」
「野垂れ死にね」
一華は冷たい声で述べた。
「それじゃあ」
「そうでしょうね、偉そうに言うけれど何も出来ないし何も持ってない人だったから」
それ故にというのだ。
「無作法で誰も助けなかったから」
「人を助けもしないの」
「献血すら一回も行ってないわよ」
「私でも三回位行ってるけれど」
「その一回すらよ、ボランティアなんかもね」
「しないのね」
「ただふんぞり返ってるだけで」
それのみでというのだ。
「親戚のお葬式でご家族でもないのに勝手に上座に上がったりね」
「それ駄目?」
「駄目よ、お葬式の時はね」
「上座に上らないのね」
「それはお葬式の後のお食事の時だったけれど」
「上座に上がったの」
「勝手にね、皆顔を顰めさせたわ」
母は嫌そうに話した。
「もうそんな人だったけれど」
「人相悪かったの」
「凄くみすぼらしくて」
「目の光もなの」
「不平不満ばかりな感じのね」
「そんなのだったのね」
「一華はこんな人と一緒になったら駄目よ」
厳しく言う言葉だった。
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