失われし時の復讐者
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「いけませんジュイネ様??そんなことをしても、“あなた”は」
「安心しなよセーニャ、僕は“そいつ”と成り代わるつもりは無い。なれるわけがないんだよ??僕はもう、“失われし時の復讐者”なのだから」
「過去に遡ることで弾き出されたもう一人の僕が、復讐者に???」
「そんなに驚くことじゃないだろう? だって元々“僕ら”は、災いを呼ぶ悪魔の子と呼ばれていたのだし、大した違いはないよ」
「??それは、違います」
「???」
「やはり“あなた”も、ジュイネ様なのです。違いはありません。??私達は、何度だってかけがえのない絆を紡げるはずです」
「──??セーニャ、君の希望的観測なんて聞いちゃいないんだよ」
魔王の剣から禍々しい闇の力を放ち出す。
「そう??そうなのね、あの時仲間のみんなと居られる幸せな気持ちは??そういうことだったんだ」
「ベロニカ???」
「おかしいとは思ってたのよね、みんなが集まってた聖地ラムダの大聖堂から忽然とジュイネの姿が見えなくなって、次に姿を見せた時には禍々しい剣を持ってて??それ以降、あたし達が初めて体験するようなことをジュイネは、前もって知っていたように何度か見えたから」
「????」
「あたし??元の世界では死んだんでしょ。あたしだけじゃなく、魔王が誕生して多くの人々も」
「───っ」
「あんたはそれに押し潰されそうなほどの責任を感じていた。??だからこそ、時を遡る手段を使って過去へ戻り、元の世界での魔王誕生を阻止した??そうなのよね、ジュイネ」
ベロニカに顔を向ける事が出来ず逸らしたままでいるジュイネ。
「ご明察、流石は大魔法使いのベロニカ様だ。ほら、聴かれてるよ? 何とか言ったらどうだい、───世界を救い直した、“真の”勇者様?」
「そう??そう、だよ。ベロニカを、多くの人々の命を元の世界で犠牲にしてしまったのは、僕の責任であり勇者としての罪、だから───世界を救い直しに、ベロニカや多くの人を死なせないように時を遡った」
「??なら、“彼”を生み出してしまったのはあたしの責任でもあるわね」
「え??? 違う、ベロニカには何の責任も」
「私の、責任でもありますわ。ジュイネ様と、ベロニカお姉様、多くの方を守れなかったんですもの」
「セーニャまで責任を感じる必要は全く無い、これは僕だけの罪で」
「それこそ違うわ??ジュイネだけが背負うべき罪じゃない」
「??ベロニカ」
「あはは??! 超がつくほど優しい仲間達で良かったね、“僕”? きっと他の仲間も同じようなこと言うんだろうな、ははは! 笑わせてくれるよ」
「笑うな??、“お前”に僕の仲間を笑う資格は無
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