失われし時の復讐者
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「ジュイネ、村の入り口に来客が来ているそうだよ」
母のペルラがジュイネにそう告げた。
「え、誰かな?」
「会いに行けば分かるだろうさ、早く行っといで」
「??久しぶりね、ジュイネ!」
「お久しぶりです、ジュイネ様??!」
そこには、小さな姉と大きな妹のちぐはぐな見慣れた姉妹が立っていた。
「ベロニカ、セーニャ、よく来てくれたね!」
「邪神討伐後、それぞれの故郷へ戻って数ヶ月ほどになりますものね」
「あたしとセーニャがあんたの元に来たのには、れっきとした理由があるのよ」
「理由って?」
「ジュイネ様が授けられた勇者の剣を、命の大樹の魂に返された方が良いと思いまして」
「僕が持ってちゃ、駄目なの?」
「駄目なわけじゃないけどね??ほら、大樹の記憶で賢者セニカ様が大樹の魂に勇者の剣を奉納してたじゃない。やっぱり返しておくべきだと思うのよね、平和になった世の中だからこそ。勇者の剣を返したからって、ジュイネが勇者じゃなくなるわけじゃないしね」
「??そっか、分かったよ」
実の所ジュイネ自身も、平和になった世界で勇者の剣を持ち続けている事に違和感を覚えていた為、その申し出は正直有り難かった。
「ルーラで直接命の大樹に向かえますが、ルーラは使わずに久しぶりにジュイネ様と短いながらも旅がしたいのです。そうですよね、ベロニカお姉様っ」
「あ、あたしは別に??というか、身体鈍ってるんじゃない? 魔物も綺麗さっぱりいなくなったものねぇ」
「そんなことないよ。平和な世界になったっていっても、いつなんどきに備えて鍛錬は怠ってないから」
「そう? ならいいけどね! じゃあ、そんなに長くなるわけじゃないけど旅の支度してきてくれる? あたし達はここで待ってるから」
「うん。??あ、キャンプ用にシチューの材料急いで用意しなきゃ」
「お姉様??! 久しぶりにジュイネ様お手製のシチューを頂けますわねっ」
「セーニャったら何がっついてるのよ??。まぁジュイネがキャンプで作ってくれるシチューは美味しいからねぇ、その気持ちは分かるわ」
「───お待たせ! 荷物は白馬のシチューに運んでもらって、僕はこの子を先導してベロニカとセーニャとは一緒に歩くから」
「??そういえばジュイネの白馬って、あんたが大好物なシチューの名前にしてるんだっけ? 単純ねぇ」
「それでは、命の大樹へ向けて出発致しましょう!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
大樹の魂の場にて。
「ここへ来るのも、本当に久しぶりですね??。大樹の魂は、変わらず美しい輝きを放っていますわ」
「そうねぇ??前に来た時は、敵の尾行に気づかずに勇者で
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