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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第144話
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が駐留軍付きで大使館を配備する場所をオルディスに選んで頂いた事は私にとってはむしろありがたい話ですわ。」

「へ……”カイエン公爵家としてのメリット”ってどういうことだ?」

ミルディーヌ公女が口にした意外な答えに呆けた声を出したリィンはミルディーヌ公女に訊ねた。

「まず大使館をカイエン公爵家の本拠地であるオルディスに設置して頂く事で、皇家・政府もそうですが、他の”四大”を含めたエレボニアの貴族達がメンフィル帝国と何らかの交渉をする際にカイエン公爵家を交渉の際の仲介人、もしくは代理人という重要な役割を任せて頂ける事になるからですわ。」

「エレボニアはメンフィルに敗戦した事で当然”敗戦国”であるエレボニアにとってはメンフィルは国家間の関係で言えば上になるのだから、そんなメンフィルとの交渉は非常に重要なものになるでしょうから、交渉の際の仲介もそうだけど代理を任されることになるカイエン公爵家はエレボニアにとって非常に重要な立場になるでしょうね。」

「その件もあるが、エレボニアの中でメンフィルに関する情報を逸早く手にする事で皇家や政府の連中もそうだが他のエレボニアの貴族連中に対して優位に立てる上、万が一国内での公女の立場が不味くなって追い詰められた場合等の非常時にエレボニアの連中が手出しできない大使館に逃げ込んで迅速かつ安全に”亡命”する事もできるからだろう?」

「そうか……大使館の敷地内は”治外法権”になる為、エレボニア軍や憲兵達はメンフィルの許可なく大使館に踏み込む事はできませんね。」

リィンの問いかけにミルディーヌ公女が答えるとルイーネがミルディーヌ公女の説明を捕捉し、ギュランドロスは不敵な笑みを浮かべてミルディーヌ公女を見つめ、ギュランドロスの話を聞いてある事実を思い出したリィンはギュランドロスに続くようにミルディーヌ公女へと視線を向け

「ふふっ、”非常時”に取れる手段は多いに越した事はありませんので。話を戻しますが次に大使館の関係者達や駐留軍がオルディスに滞在している事で、彼らの生活向上の為にオルディスにメンフィル帝国の本国――――――つまり、ディル=リフィーナの商人達の誘致をしやすくなり、誘致に応じた商人達がオルディスで商売をすることでオルディスの統治者であるカイエン公爵家が外貨を得る手段を増やせる事もそうですが、オルディスをエレボニアで随一のディル=リフィーナ――――――異世界の商品が集まる”商業都市”へと発展させる事もできるからですわ。」

「な、なるほど……ちなみに今のミュゼの話について、陛下達はどうお考えなのでしょうか?自分の記憶が確かなら、現在の所我が国唯一の大使館が設置されているリベールのロレント市は”本国”から誘致した商人達によって発展している都市ではありませんでしたが……」

ミルディー
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