第144話
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「それと第5条の件でお主達シュバルツァー家に”謝罪”を名目にしたエリゼとエリスにとっては”怒り”を抱くような提案をしてくる可能性もあるの。」
「!?何故そこで第5条もそうですが、エリゼとエリスが関係してくるのですか……!?」
不愉快そうな表情を浮かべて呟いたリフィアの推測を聞いたリィンは血相を変えて訊ねた。
「第5条にも書いている通り、ユーゲント三世自身にお主達シュバルツァー家に内戦の件での謝罪金並びに賠償金を支払わせる事じゃが……その謝罪金並びに賠償金の代わりとして、エリゼかエリスをセドリック皇太子、もしくはオリヴァルト皇子の”正妃”として迎える縁談の提案をしてくる可能性が考えられるという事じゃ。」
「衰退が決定しているとはいえ、他国の皇家の”正妃”として嫁げる事は貴族としては名誉な事だものね。」
「しかもシュバルツァー家は元々はエレボニアの貴族で、おまけにアルノール皇家とも縁ある貴族だったんだから、姉妹の内のどっちかを皇太子か放蕩皇子の正妃として迎えるべきだと馬鹿な事をほざくエレボニアの貴族達は間違いなく現れるだろうな。」
「……ッ!待ってください……!殿下達もご存じのように、二人は既に自分と婚約の関係であり、その事実は皇太子殿下達――――――アルノール皇家もご存じですから、そんな道理に反する事は殿下達アルノール皇家が許さないと思われます……!」
リフィアの説明とルイーネとギュランドロスの推測を聞いたリィンは唇を噛み締めた後真剣な表情で反論した。
「リィン将軍閣下も仰る通り、確かにリィン将軍閣下とエリス先輩たちの関係もご存じの皇太子殿下達でしたらそのような道理に反する事は絶対に許さないでしょうが、ギュランドロス陛下も仰る通り第7条の件がなければ――――――いえ、あったとしてもエレボニアの信頼回復や賠償金の減額等の為にエリス先輩かエリゼさんを皇太子殿下達の妃として迎える等と言ったあまりにも愚かな提案をする貴族達が一定数現れる事は確実でしょうし、ユーゲント皇帝陛下に対して不敬を承知で発言させて頂きますが、”あのオズボーン宰相を重用したユーゲント皇帝陛下ならばエレボニアの為にそのような愚かな提案を承諾する事もあり得る”可能性も考えられますわ………――――――それこそ、”ユーゲント皇帝陛下を含めてシュバルツァー家ならばアルノール皇家やエレボニアの為に承諾してくれると自分勝手な希望を抱く者達”も現れると思われますわ。」
「それにエリゼとエリスを諦めたとしても、次代――――――つまり、リィンとエリゼかエリスの間に子供が生まれれば、その子供をアルノール皇家に嫁がせる縁談の提案の声も挙がるじゃろうな。」
「……………………………その、教官達は婚姻による縁戚関係を利用して賠償金の減額等をさせない為と仰いましたが
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