第144話
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アの次男やその子孫に防がせるって事だよ。」
「しかもメンフィル帝国領の統括領主であるリィン君はユーシス君にとっても”信頼できる級友”の一人でもあるのだから、平時でも商売や交流等も円滑になるとメンフィルは考えているのよ。」
「念の為に先に言っておくが、黒の工房の本拠地の捜索の件で一時的に”Z組”に協力していたレン達からの話によるとユーシス・アルバレアは兄であるルーファス・アルバレアがお主に討たれた事について、お主に対して思う所はない上ルーファス・アルバレアは討たれて当然の存在だと断言していたとの事じゃから、ルーファス・アルバレアを討った件でユーシス・アルバレアとお主の関係が壊れる心配は無用とだと思うぞ。」
「………それは………ですが、幾らユーシスでも、政府はともかくアルノール皇家の”勅命”には逆らえないと思うのですが……」
ギュランドロスとルイーネ、リフィアの説明を聞いて複雑そうな表情で答えを濁していたリィンはある疑問を口にした。
「先程も言ったように1度目のユミル襲撃の件に責任を感じているのだろう?――――――ならば、その責任を”皇家や政府に逆らってでもシュバルツァー家――――――メンフィル帝国領として併合されたクロイツェン州の領土を護る”という形で示すのであれば、その”対価”としてケルディックとバリアハートもエレボニアに返還するという事だ。――――――当然、変更する条約の条文にはユーシス・アルバレアをケルディックとバリアハートの領主に就かせる旨も追加しておく。」
「ふふっ、エレボニアは”敗戦国としてメンフィル帝国の要求に従わなければならない立場”なのですから、その要求の中に本来は領地を取り上げざるを得なかったアルバレア――――――ユーシス卿をケルディックとバリアハートの領主にせよという内容もあれば、当然ユーシス卿をケルディックとバリアハートの領主に就かせなければなりませし、慈悲深く、そして仲間想いな殿下達の事ですから、”好都合”と感じられるかもしれませんわね。」
「…………………………」
リウイとミルディーヌ公女の説明や推測を聞いたリィンは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「……その様子だと、幾らかつての級友に故郷を返してあげられるとはいえ、場合によってはアルノール皇家に逆らわせる事に思う所があるようだけど、逆に考えればエレボニアが領土奪還やメンフィルへの報復を行う事を考えなければ、エレボニアはケルディックとバリアハートも返還してもらえる上、エレボニアの貴族達の中で最も先行きが不安なユーシス・アルバレアも領主に返り咲く事ができるのよ。」
「ちなみにですが、皇太子殿下がエレボニア皇帝として現役の間はそのような”盤面”は今の所1度も見えた事がありませんから、少なくてもユーシス卿が現役の間はリ
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