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夢幻水滸伝
第二百四十九話 義侠心を胸にその十一

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「そうしてです」
「戦われますか」
「そうします、では」
「使者をですね」
「送ります」
 この言葉と共にだった。
 紅美は江陵の方に使者を送った、すると暫くして武漢に戻ってきた使者は紅美に苦い顔で報告した。
「残念ですが降したいならばです」
「戦って勝てとですか」
「言っています」 
 その苦い顔で報をした。
「そう言っています」
「そうですか、では」
 紅美は無念の顔で応えた。
「これよりです」
「兵を出されますね」
「そうします、十万の兵を率いて」 
 市長に対して答えた。
「長江を上がり」
「江陵を攻められますか」
「そうします」
「そうされますか」
「はい、すぐにです」
「ではこれよりですね」
「出陣を命じます」
 この言葉と共に席を立ってだった。
 紅美は十万の兵を船に乗せ自身は建造させていた空船に乗り込んでそのうえで江陵に向かった。すると。
 自身の勢力圏である岳陽から沙市に向かうとその前で敵の水軍がいた、士官の一人がその船団を見て紅美に言ってきた。
「その数三万です」
「三万ですね」
「数ではこちらが圧倒していますが」
「このまま攻めても勝てますね」
「船や装備の質もこちらが上ですし」
「わかりました、ですが戦は即座にかつこちらの損害を可能な限り出さない」
 紅美は士官に述べた。
「そうしてです」
「勝ちたいものですね」
 士官もそれはと答えた、紅美と同じバーバリアンの若い大男である。
「確かに」
「ですからここはこの空船は敵の上から攻撃し」
 そうしてというのだ。
「私も術でそうしてです」
「前の我が軍の船団もですか」
「砲撃を行い」
「攻撃してですか」
「勝ちましょう、川上は敵が制していますが」
 それでもというのだ。
「大砲の射程はこちらが上で爆裂弾や術を仕込んだ砲弾も多いので」
「そうしたものも使いますか」
「惜しまず」 
 その様にしてというのだ。
「用いてです」
「攻撃を行いますか」
「空船の上からの攻撃もです」
 こちらもというのだ。
「ただ上から攻めるのではなく敵の後ろからです」
「その様にですか」
「攻める様にして」
「敵を後ろから脅かしますか」
「敵は空船はありませんし」
 それにというのだ。
「後ろから激しく攻められるとどうしても前に逃れますね」
「川ですと」
「そうすればです」
「前からの船団の攻撃に向かわざるを得なくなる」
「そうして挟撃してです」
「敵を倒しますか」
「そうしましょう、この戦に勝てば」
 紅美は確かな声で述べた。
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