第六十一話 ドーナツその十三
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「暴力団新法からヤクザ屋さんへの締め付けが厳しくなってね」
「それでヤクザ屋さんも暮らしにくくなったのね」
「このこと自体はいいことでもね」
「ペット業界に流れていってるの」
「他の業界にもね」
「麻薬とか銃とかだけじゃないの」
「ショバ代とか巻き上げたりね、あと昔は賭場とかテキ屋もやっていたけれど」
元々日本のヤクザはそうした世界から出てきている、その為日本のヤクザはテキヤ系と賭場系に分かれているのだ。
「今はどんどんね」
「そうしたことが出来なくて」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「ペット業界にも入り込んでいるの」
「それで悪質なブリーダーとかしてるの」
「そうなの。昔は映画業界とか芸能界にも関わってたしね」
「それでヤクザ屋さんと付き合いのあるタレントさんとか出るのね」
「昔はそれが普通だったからね」
それでというのだ。
「今もあるのよ、映画撮影のお手伝いなんかもね」
「してたの」
「それどころか芸能事務所を経営したり」
「そんなこともあったの」
「そうよ、飲食業界や風俗にもね」
「色々関わってたの」
「そうしていたけれど」
今ではというのだ。
「規制が厳しくなってね」
「そういうところからも追い出されて」
「芸能界からもね」
「飲食業界からもなの」
「だからぼったくりバーもかなり減ったのよ」
昭和の頃には結構あったらしいがだ。
「それでどうも風俗からもね」
「締め出されてるの」
「そうかもね」
「それでペット業界に入ってるのね」
「どうもね、けれど私が知ってる位だし」
「そっちからもなのね」
「締め出されていくでしょうね」
こう咲に話した。
「本当にああした人達はね」
「いなくなる方がいいわよね」
「絶対にね」
愛は言い切った。
「その方がいいわよ」
「それがヤクザ屋さんね」
「そう、いない方がいいのよ」
「どの業界からも」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「ペット業界からもよ」
「いなくなって欲しいわね」
「そうよ、勿論ヤクザ屋さんじゃなくても悪質なブリーダーがいるけれど」
「そうした人もよね」
「いなくなればね」
そうなればというのだ。
「本当にね」
「いいのね」
「生きものだって命があるのよ」
「そうだったらね」
「大切に扱わないとね」
「駄目よね、じゃあ私も」
咲は言われて思った。
「モコもね」
「大事にしてあげてね」
「命だからね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「そうしてあげてね」
「そうするわね」
先は愛に約束した。
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