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魔法使い×あさき☆彡
第二十九章 遥か遠い時代のお話
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は創造し、仮想宇宙に再び生まれた地球を、見守った。
 実時間で数十億年という時間を。

 何度試しても、世界は西暦2000年の壁を突破出来なかった。

 地球の創生頃からの宇宙を、作り直すしかなかった。
 現実時間で46億年もかかるチャレンジを、何度も繰り返すしかなかった。
 人類が誕生してからの歴史をシミュレートしたいだけだというのに、実にもどかしいことであるが。

 時の早送りも、バックアップデータのリストアも不可能であり、是非ともしようがなかった。
 どちらも試そうものなら、無限空間記憶層(アカシツクレコード)の同期不具合が発生する。仮想世界が消滅するどころか、核たる超次元量子コンピュータ自体が破壊されてしまうのだから。

 つまりは一回ずつ、現実世界と時間を同期させた仮想宇宙に、新たな地球を作り出していくしかなかったのである。何十億年、何百億年、何千億年かかろうとも。

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 その都度、行なったこと。
 それは、世界創生の前提環境に変化を加えること。

 簡単にいうと、「もしもの世界」だ。

 神は少しずつ前提環境をずらした、「もしもの地球」を作り出し続けたのである。
 仮想世界が滅んで消滅する、その都度。

 数十回目にして、ついに西暦2000年を突破することに成功した。
 もし人類が存在していたら、そんな子供じみたと試みることすらなかったかも知れないが、「魔法の存在する世界」、それがその時の前提環境であった。

 夢と恐怖、本能的な信仰心などが絶妙なバランスで無限空間記憶層(アカシツクレコード)を刺激したものなのであろう。
 突破の理由について、神はそう考えた。

 2001年、
 2002年、
 ……
 2021年、
 2022年、

 現実世界と同期された、仮想世界の時間の流れ。
 しかし、ここまでくれば、加速度的に時が流れているのと同じだった。
 ここまで、数十億年を何度となくやり直したのだ。
 一年など、一瞬のうちにも入らない。

 2041年、
 2042年、

 超次元量子コンピュータが作り出された国、日本では、元号令和の時代に入っていた。

 令和二十二年、
 令和二十三年、
 令和二十四年、

 この仮想世界において、ついに前人未到の段階に達したのである。
 ようやくにして、仮想世界内の地球が、動き出したのである。

 だが、誰のためと考えるならば、これほど虚しいこともないだろう。
 陽子崩壊による宇宙の終焉という現実は、目前まで近付いていたし、対策のために超次元量子コンピュータや人工惑星を作り出し送り出した地球も、普通に考えて存在するはずがないからだ。

 ついに時の針が進んだことは、神にとって一抹の安堵
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