暁 〜小説投稿サイト〜
口だけ男
第五章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後
「では早く去るのだ」
「くそっ・・・・・・」
 尾谷は歯噛みした、だが。
 中谷だけでなく営業部そして会社の誰もが彼を冷たい目で見るだけだった。会社を去っても喜ばれるだけで。
 懲戒免職の後刑事告訴となってだった。
 裁判の結果実刑判決を受けて刑務所に入ることになった、そして。
「刑務所だとすぐに本性ばれたみたいですよ」
「弱いものいじめが大好きで嘘吐きでどんな悪事も平気だって」
「底意地が悪くて人は利用するだけ」
「そんな奴だって」
「それで徹底的にいじめられていて」
「面会も手助けも何もないらしいです」
「刑務所は悪人が揃う」
 小柳は部下達の話を居酒屋で聞いて言った。
「悪人は悪人がわかるんだ」
「そうですよね」
「悪人だからこそわかりますね」
「悪人のことが」
「そうですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「あいつの本性もすぐにわかってな」
「刑務所の中で偉い奴に媚売って」
「弱い奴をいたぶって生きようとしても」
「悪人は悪人がわかる」
「だからですね」
「どんな奴かすぐに見破られてな」
 そうなってというのだ。
「そうなるんだ、あとそんな奴だから面会もな」
「手助けもですね」
「誰もしないですね」
「そうですね」
「そうなるんだ、ただ我が社にいたままだとな」
 小柳は日本酒を飲む手を止めて苦い顔で話した。
「本当にな」
「とんでもないことになっていましたね」
「社長や中谷さんに取り入って」
「パワハラやモラハラを繰り返して」
「弱いものいじめばかりやって」
「横領等もしていって」
「会社に寄生して根っこから蝕んでいってな」
 そうしていってというのだ。
「そしてな」
「会社を腐らせて」
「駄目にしていきますね」
「しかも偉くなれば」
「さらに悪いことをしますね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「ああしてだ」
「排除すべきですね」
「あの様にして」
「悪事を突き止めて」
「そして社長にもお話をして」
「そうしないと駄目だ」
 こう言うのだった。
「若し社長が私の言葉を聞いてくれないとな」
「さもないとですね」
「あいつを排除出来ないで」
「会社を腐らせていましたね」
「そうなっていた」 
 間違いなくというのだ。
「だからよかった」
「そうですね」
「排除出来てよかったです」
「あいつについては」
「若し社長が信じないならまずかった」
 小柳はここで苦い顔になってこうも言った。
「あのまま癌細胞がどんどん大きくなってだ」
「そうしてですね」
「会社を蝕んで」
「腐らせていましたね」
「会社が潰れた可能性も高かった、口で上の者や強い者におもねるだけでだ」
 ゴマを擦ってというのだ。
「取
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ