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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第四章 〜魔力(チカラ)の意味〜
その二
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重要な任務です」

「稟くんに何かお願いするの?」

「土見さん。これの使い方をマスターしてください」

 思いきり他人任せである。

「というか、そもそもこれって何の機械なんだ?」

「レコーディングシステムって書いてあります。そこの防音室で出した音を録音できるんですよ」

 そう言って防音室を指差す。

「ふーん……まあいいや、マニュアルを貸してくれ」

「ほい」

 そう言った稟に柳哉が説明書を渡す。

「? 柳は見ないのか?」

「まあ、見なくても大体分かるけどな。でも……」

「でも?」

「何でもかんでも俺がやったんじゃ、お前のやることが無くなるし、それに……これはお前のやることなんだろう? “部長の右腕”?」

 そう言って柳哉は悪戯っぽく笑った。


          *     *     *     *     *     *


 紆余曲折を経て、どうにか機材の使用方法を頭に叩き込む。大体の手順さえ分かってしまえば後はそんなに難しいものでもない。

「よし、これで防音室のマイクから録音できるぞ。何か喋ってみてくれ、試し録りしてみるから」

『あー、あー、稟くん、聞こえてる?」

「ああ、バッチリだ」

 ヘッドホンからシアの声が聞こえてくる。録音機材も正常に動作しており、問題は無さそうだ。

『マイクチェック1、2。バーベナ学園放送部、お昼の放送のお時間です』

「お、雰囲気出てるな」

 一緒に防音室に入っているデイジーもシアに続く。

『この声って今録音されてるんだよね?』

「ああ、多分な。後で確認しないと分からないけど」

『じゃあ……わたしは稟くんが大好きです♪』

「っ……いや、シア。そんな赤裸々な……」

 ストレートな告白に思わず赤面する稟。そこへデイジーが追い討ちをかける。

『リシアンサス様がこんなにストレートに愛情表現をされているんですよ。嬉しいなら嬉しいって言ったほうがいいです』

「……なかなかいい性格してるよな、デイジーは」

『褒め言葉と受け取っておきますね』

「……ああ、そうかい……」

 にっこり笑って言われてはどうしようもない。

(柳がこの場に居なくてよかった……)

 趣味に“稟いじり”を持つ柳哉なら確実にからかっていただろう。その柳哉は担任の撫子に用事があるらしく、席を外していた。
 その後もシアによる稟への告白タイムは続き、稟だけでなくデイジーも恥ずかしくなってきたところで試し録りは終了。“DAISUKI”と銘打たれたこのテープは後日、柳哉によって発見され、結局からかわれることになるのだがそれは全くの余談である。

「それで、少し思ったんだけ
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