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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第四章 〜魔力(チカラ)の意味〜
その二
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ょう。しかし、相手が王女様とあっては、やっぱりどこか尻込みしてしまうと思われます。そこで……」

「まずは俺をゲストとして呼ぶことによってワンクッション置いて、それからってことか?」

 転入してきてからまだ一ヶ月弱の柳哉はゲストとしてまさにうってつけというわけだ。理解した稟だが、若干の不満がある。

「でも、それはちょっと柳に対して失礼じゃないか?」

「……はい、実は話しながらそれに気付きまして……」

 表情を曇らせるデイジー。確かにそれは第一回放送という名のテスト放送だとも言える。シアがゲストとなる本放送の前座という扱いにもとれる。格下に見られた、と柳哉が感じてもおかしくはない。しかし、柳哉はそんな人間ではない。

「ああ、別に気にしなくてもいいぞ。そもそも俺自身、そんなことは気にしないからな」

 それを証明するように明るい声で答え、小さく笑う柳哉。

「それに、おもしろそうだしな」

 それだけが理由ではないが。

「……ありがとうございます」

 神妙な表情で頭を下げてくるデイジー。

「そんな顔すんな。まるで俺がいじめてるみたいじゃないか」

 そう言ってぽんぽんと頭を軽く叩く。

「……」

「どうした?」

「あ、いえ。何と言うか……懐かしさのようなものを感じまして……この学園以外のどこかで会ったことってありますか?」

「……なあ稟。これっていわゆる“逆ナン”ってやつか?」

「俺に聞くな」

「え、そうなの?」

「いえ、違いますからね!?」

 そのやりとりによって放送室は笑いに包まれた。


          *     *     *     *     *     *


「それで、これからの予定なんですが。来週の月曜日から木曜日までの四日間で生徒の皆さんにアンケートを取って、それを元に原稿を作ります。本放送は先程も言った通り金曜日から実施します」

「丁度十月の一日か。なかなかキリがいいな」

「はい。それで今日はこれから部室の掃除……はほぼ終わっているので、機械類の操作方法を学びましょう。これが説明書です」

 そう言って説明書を机に置く。

「? デイジーちゃんが教えてくれるんじゃないの?」

「あう……。実は……」

 どうやらデイジーは機械類の使用方法をほとんど知らないようだ。

「いやちょっと待て。機材の使い方とか、そういうレベルから始めるのか?」

「……そこのスイッチを押すと音がして、マイクから声が出るようになります。ぶっちゃけ私はそれしか知りません」

 それでは放送部自体がほとんど知られていないのも無理はない。

「そこで、土見さんにお願いがあります。私の右腕としての初の
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