第二章
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「吊られて揺られるのも嫌なのに」
「そうなるとのことだ」
「凶作の年にはマタタビの実が実る」
「そしてあんたの身体を覆うのよ」
「豊作の年には実らないけれどね」
「それじゃあ凶作の時は」
末娘もわかった。
「私は」
「そうだ、辛いぞ」
「誰も食べないしな」
「人もカムイもね」
「鳥が食べてね」
兄達と妹達は話した。
「そして糞をするわ」
「その糞が身体に付いてよ」
「匂いもしてな」
「かなり苦しいぞ」
「それは嫌よ、どうしたらいいのよ」
末娘は吊り下げられたまま兄姉達に問うた。
「私は」
「それが嫌なら反省しろ」
「もう忌みで外出出来ないならするな」
「二度とね」
「そうしなさい」
「わかったわ」
末娘もそれではだった。
頷くしかなかった、そして心から反省してだった。
二度とそうした時は外に出ないそしてカムイ達の約束や決まりは絶対に守ることを誓った。その誓いをしてだった。
ようやく解放された、以後娘はそうした時は何があっても外出せずまたカムイの約束も決まりも守る様になった。
そして娘のことが終わってからだった。
キンカムイはアペフチカムイと会った、そして。
マタタビの実を食べてだ、顔を顰めさせて言った。
「これはまずいな」
「全くだな」
アペフチカムイも食べて応えた。
「辛くてな」
「とても食えたものではない」
「全くだ、それに対してだ」
今度はだった。
アペフチカムイはマタタビの実と共にあったサルナシの実を食べた、そのうえで今度はこう言った。
「サルナシの実はな」
「甘いな」
キンカムイも食べて言った。
「実に」
「それで美味いな」
「全くだな」
「マタタビと聞くと末の娘も反省した」
「いいことだ」
「そうだな、しかしだ」
キンカムイはアペフチカムイに話した。
「カムイが誓いを破るとな」
「その仕置きはか」
「前から思っていたが」
「厳しいな」
「かなりな」
こう言うのだった。
「そうだが」
「人や獣達のものよりもな」
「それはどうしてだ」
「当然だ、カムイはだ」
アペフチカムイはサルナシの実を食べつつ応えた。
「この世を動かすな」
「それぞれが司るものを守護してな」
「それならだ」
まさにというのだ。
「その責は大きくな」
「何かあった時の仕置きもか」
「厳しくなる、責が大きいとな」
「悪事を為したり誓いを破った時の仕置きもだ」
これもというのだ。
「実にだ」
「厳しいものになるか」
「そういうことだ、だからな」
「これからもだな」
「我等はな」
即ちカムイ達はというのだ。
「しかとな」
「悪事を為さず」
「誓いを守ってだ」
そうしてというのだ。
「それ
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