暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第四章 〜魔力(チカラ)の意味〜
その一
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
部活に所属することを強く勧められます。人界のことをより多く学ぶために、ということですね」
「ふわー、すごいんだね、デイジーちゃん」
「い、いえ、そんなことは……」
シアから尊敬の目で見られ、赤くなりながら慌てるデイジー。いつもそんな感じなら可愛いのに、という感想は口にせず、稟は問いかける。
「それで、なんで放送部に……? 他の部でも良かったんじゃないのか?」
「それはそうですけど……卒業する部員の方と入れ替わりだったので。私だけになってしまうのは分かっていたんですけど」
言葉を一旦切り、続ける。
「無くならないといいなって……思ったんです。何だか寂しいじゃないですか、そういうの」
「……うん。分かる気がする」
「確かにな」
言いながら、稟は別のことに驚いていた。デイジーが放送部をやっている理由が、意外にも人情味のあるものだったからだ。見れば柳哉も無言で頷いている。デイジーの手伝いをしているのもその辺りに理由があるのだろう。最初のイメージが強かったせいもあってか、ちょっと勘違いをしていたのかもしれない。
「でも、驚いたな」
「何がですか?」
「いや、柳と随分親しいようだから」
部員でもないのに部活動の手伝いをしているぐらいなのだから。そう言おうとした稟だが……
「別にそこまで親しいわけじゃないがな。まあ、前に少し相談にのったことがあってな。その縁みたいなものだ」
「相談?」
聞き返すシアだったがそれには答えず、小さく笑う。その相談の内容をシアに話すほど野暮ではない。そんな柳哉に少しの感謝を込めた視線を送るデイジーだった。
「で、わたしも校内放送を手伝えばいいのかな?」
「よくぞ聞いてくださいました。手伝うというより、姫様には姫様らしく主役の椅子を用意させていただきます」
「えと、わたしは時々お手伝いが出来たらいいなって思ってたんだけど……」
「そんな引っ込み思案なことではいけません! 姫様の魅力を民衆……いえ、同じ学び舎に集う若人に思い知らせ……いえ、知ってもらわなければ!」
ここぞとばかりに勢い込むデイジー。微妙に雲行きが怪しくなってきた。訂正前の発言だとすこぶる政治的である。
「と、思っていたのですが、少し時期を外してしまったので……ひとまずこれをご覧ください」
そう言ってデイジーが鞄の中から取り出したルーズリーフの束を三人の前に差し出した。表紙にはこう書かれていた。
「……『新しいお昼の放送プログラム』?」
「……『リシアンサス王女のお部屋』?」
全てが手書きの文章だ。しかも結構な量がある。これもシアと一緒に放送する、ということへの情熱の成せる業か。
「これをきっかけに、放
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ