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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第四章 〜魔力(チカラ)の意味〜
その一
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冒頭の部分に繋がる、というわけだ。
 ちなみに土見稟討伐戦(いつもの)がネリネによって強制終了されたことで気が抜けてしまった稟は今日の放課後の約束をすっかり忘れていた。思い出したのは教室に戻った時に、残っていたクラスメイトに預けられていた伝言を受け取った時だ。正直聞かなかったことにして帰ってしまいたかったが、約束を破るわけにもいかないので、ちょうど掃除を終えたシアと共に放送室まで足を運んだ次第である。

「それじゃ、入るか」

 そう言ってノックをする。どうぞ、と答えがあり、扉を開けるとそこには唯一の放送部員であるデイジーだけではなく、意外な人物の顔もあった。

「よう、どうした? 鳩が豆鉄砲を食らったような顔してるぞ?」

「いや、なんでいるんだ? 柳」

「いちゃ悪いのか?」

「いや、別に悪くはないが」

「ま、実を言えばデイジーに頼まれたからなんだがな」

 そんな二人を尻目に、デイジーはシアに挨拶をしていた。

「ようこそ、放送部へ。まだリニューアル大掃除の途中ですが、お(くつろ)ぎください」

 掃除の途中とはいってもほとんど片付いており、この分なら今日からでも活動を始められそうな状態だ。あまり触れられていなかったのか、機材はほぼ新品の状態を保っている。

「お邪魔します。わ……すごいね、機械がたくさん」

「ああ……思ったより設備が整ってるな」

 部員一名と言うくらいだ、もっと貧弱かと思っていたのだが……。

「まあ、バーベナだからな。あまり使われないような所にも結構金がかかってるんだろうよ」

 世界初の三種族合同の学び舎だ。それぐらいは当たり前なのだろう。

「三世界の交流を促進するために作られた学園ですから、設備投資は最高クラスだそうです」

 デイジーも苦笑と共に答える。

「この機械、校内放送に使うだけでは勿体ないんですよ。でも放送部自体、ほとんど知られていない部活なので……宝の持ち腐れもいいところです」

「そうなんだ……稟くんも知らなかった?」

「ああ……残念ながら……」

「無理もありません、私が入る前までは顧問の先生しかいない部活動でしたから」

 よくそんな所に入る気になったものだ。

「実を言うと……私、神界からの奨学生なんです。なので、学園で過ごすにあたっての条件がいろいろあるんですよ」

「確か、その内の一つが『部活動の奨励』だったよな」

「奨学生なのか」

 デイジーはさらりと言ったが、神界・魔界から年に五人しか選出されない奨学生の一人ということは、デイジーがそれだけ優秀だということだ。実際、デイジーの成績はネリネや楓、樹らと並んで二年生の中でもトップレベルだ。

「ええ。私たちは一般の生徒さんより、
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