第一章
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王妃と棗
ブラフマッダという王がベナレスを都として国を治めていました。
王様はボーディサッタというとても頭が良くて人格者である大臣の助けを借りて国を治めていました。
その為国はとても豊かで平和な状況でしたが王様が都を観て回ってその状況を確認している時にです。
王様はお店で棗やマンゴーといった果物を売っている若い娘を見ました、浅黒い肌で細面で奇麗な黒いキラキラとした目と細く長い眉にツヤのある長い黒髪のとても美しい娘でした。
その娘を見てです、若くて長身できりっとしたお顔立ちの王様は思慮深そうな顔立ちで清潔な服に身を包んだ穏やかな顔立ちの大臣に言いました。
「随分奇麗な娘だな」
「はい、是非です」
大臣はここで王様に言いました。
「あの娘を王妃にお迎え下さい」
「余はまだ結婚していないが」
「だからこそです」
大臣は王様に答えました。
「あの娘をです」
「妃に迎えるべきか」
「ご覧下さい、あの娘を」
大臣は王様に穏やかな声でお話しました。
「実に真面目に働き人当たりも素晴らしいです」
「そうだな」
王様も娘の働きぶりを見て頷きました、見ればです。
大臣の言う通り真面目に働きお客さんへの応対も立派です、はきはきとしていて利発で頭の回転もいいです。
お金の勘定も確かでしかも正直です、王様はそこまで観て言いました。
「ではな」
「はい、あの娘をです」
「余の妃にしよう」
大臣の言葉に頷いてでした。
王様は大臣の言葉に頷いて妃に迎えました、そうして大臣だけでなく王妃の助けも受けてこれまで以上によく国を治める様になりました。
ですがその中で大臣は王様にお話しました。
「王様はこれから大事なことを学ばれます」
「というと何だ」
「それはこれからわかります」
「そうなのか」
「その時にまたお話します」
こう王様に言うのでした、そしてです。
二人の助けを借りて国を治め続けていきましたが。
ある日民から献上された棗達を見て言いました。
「これは実にいいな」
「そうですね」
一緒にいる大臣もその棗達を見て言いました。
「これだけ素晴らしい棗達はです」
「そうはない、そういえばだ」
ここで王様は気付きました。
「妃を迎えてからだ」
「棗を召し上がっていませんね」
「その機会がなかったな」
「そうですね、ですが」
「今はだな」
「お召し上がり下さい、それもです」
大臣覇王様にさらに言いました。
「王妃様とご一緒に」
「そうだな、妃は元々これを売っていた」
お店でとです、王様はここでこのことを思い出しました。
「それではな」
「はい、そのこともありますし」
「この度はだな」
「王妃様と一緒にお召し上がり
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