第三章
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「実に荒々しく」
「すいません、何分身分が低く」
「いえ、よかったです」
「そうなのですか」
「堪能しました」
こう言うのだった。
「実に」
「そうなのですか」
「ですからまた」
「来られてですか」
「楽しみましょう」
こう言うのだった。
そのうえで頼長は成雅と絆を深めていき。
自身の日記にもこのことを書いた、彼は書いている時に思わず言った。
「不敵不敵」
「不敵とは」
「何、源殿とのことだ」
頼長は傍に控えていた家の者に答えた。
「攻められたからな、源殿は身分が低いであろう」
「はい、左府様は摂関家の長者ですが」
「その麿と比べるとな」
「どなたもです」
「同じ摂関家なら違うが」
頼長は彼等のうちの数人とも絆を結んでいる、それで彼等のことも話すのだった。
「しかし源殿は当家の方でなくな」
「源氏ですな」
「それだけに荒くてな」
「それでなのですか」
「麿が攻めてもらったが」
「それがですか」
「随分と荒々しくてよかった」
家の者に笑って話した。
「それでそのことを思い出してだ」
「不敵不敵と言われたのですか」
「左様、これもよかった。これはからは武士とも民ともな」
「絆を結ぶべきと思われたならですか」
「結んでいこう、麿が攻めるだけでなくな」
「攻められますか」
「そうしていこう」
こう言ってだった。
彼は随身の者達とも絆を結んだ、そしてまた言うのだった。
「身分の低い者もまたよし」
「絆を結ばれるのは」
「そうなのですね」
「実にな。楽しめるし絆を深めてな」
そのうえでというのだ。
「麿の権勢も高まる、これ程よいことはない」
「それではですね」
「これからもですね」
「多くの方とですか」
「楽しんでいこう」
こう言って実際にだった。
頼長はそちらを楽しみかつ己の派を築いていった、そのうえで彼の実の兄であり政敵でもある忠通に対していった。だが。
鳥羽法皇は苦い顔でその忠通弟とは違いふくよかな温和な顔立ちで穏やかと評判の彼に言うのだった。
「今左府はそちらも用いてな」
「権勢を高めていますな」
「自身の派を築いておる」
「左様ですな」
「しかしだ」
法皇は忠通に言われた。
「あの者はあの気質だからな」
「敵が多いですな」
「学がありかつあの様にしておるが」
「その気質は如何ともし難いですな」
「悪に過ぎる」
即ち強過ぎるというのだ。
「他の者にな」
「あまりに厳しいので」
「人望がなくな」
「絆を結んでいる者と父上以外は」
彼を寵愛しているというのだ。
「味方はいないので」
「そなたは今は追いやられているがな」
「やがてはですか」
「戻れる、その時まで待っておるのだ」
「わか
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