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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(12)〜基地主戦陣地攻防(中)〜
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‥貴族軍が展開した重火力は不足しています。いささか不可解ですが」
「成功しているのであればどうしようもない、それにだな」
たたくときに将兵の心を叩いておくのは常に有効な手管さ。とフォルベックは笑った
そして主戦陣地は混戦へと縺れ込んだ――帝国貴族(※弱小非主流派)の望まぬ形で
「叛徒共は常識をわきまえておらぬのか!なぜ敵の数は上回っているのに陣地から出てくるのだ!!」
「陣地を突破するのだ!ええい重火力隊を出せ!」
「味方を誤射します!」「だが対空火力を破砕せねば我々がすりつぶされるぞ!」
なら”数に勝る”利を活かせばよいのだが封建制で中央官界から外れた零細貴族はそうもゆかぬのだ。ましてや負けがこめば――なにしろ
「他の奴らなど知らぬ!分け前が足りぬのだぞ!」そして負けたら、などと言う言葉もちらつけば、なおさら被害を避けるのが彼らの本能。あぁ悲しきかな零細貴族。この軍勢は全て「彼らもち」なのだ。何しろ採算が取れぬからこそ星の支配者として割り振られたのが彼らの父祖なのだから……
その混乱を観戦するのはラインハルト率いる帝国宇宙軍臨時陸戦隊である。
「巡航隊にフランダン伯‥‥さて、俺が処方できる特効薬はもうないぞ」
ラインハルトは冗談めかしていうが内心に張り詰めたものがあることを忠実な友人は理解している。
「ラインハルト様、これは」
「あぁ不運ではない。敵に見られている。確実にな。あまりにも対応が早すぎる。戦術能力ではなく環境を事前に整えて『知る方法』を整えていたとしか思えない」
ラインハルトは天を指す。
「もっと早く気がつくべきだった。航空戦力も倍はいるのに俺たちは制空権を確保できていない。連中が見えないところも見えているからだ」
「油断ではない、俺は劣悪で不十分なぬるま湯を知らずに受け入れてしまっていた。退嬰、無気力、惰性。知らぬうちに飼いならされ、すべきことをせずにこの氷塊に腰掛けてしまった」
リューネブルクは陸戦屋、であるならば自分が気が付くべきだったのではないか、とラインハルトは舌打ちをした。だが参謀の編成も不十分な中でラインハルトを糾弾するのは酷であるともいえる。
パランティア連合国は交戦星域最大の経済、人口を誇る構成邦、避難支援に帰還支援。時には友邦の奪還作戦のために同盟宇宙軍、地上軍と協力することもある。オスマン少将が率いる統合作戦本部の作戦部局はなおさらである。
HUORNは(自由惑星同盟軍ではなく)パランティア統合幕僚本部直属であり情報収集が専門の航宙保安機関である。
つまるところ官僚機構、マニュアル構築の経験則の違いであった。
「足元がおぼつかぬうちに拙速を尊ぶばかりに奇策に頼った俺が悪かった。ここは正攻法で焦らず攻め立てるしかあるまいよ」
「重火力で締め
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