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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(12)〜基地主戦陣地攻防(中)〜
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「フランダン閣下、戦死!フランダン閣下、戦死ィ!」
 エル・ファシル軍の奇襲は基地攻防戦のターニングポイントとなった。
もちろん単純な戦力の問題もあるがそれ以上に帝国軍の士気を大きく落とすことになった。なにしろ彼らの頭上にある重火力連隊級の火力投射能力を持つ巡航艦が叩き落とされたのだから。そして同時に弱小貴族領主達の精神を揺さぶる知らせも揃っている。

「フランダン閣下、戦死!フランダン閣下、戦死ィ!」

「支援についた対地攻撃用巡航隊、壊滅!お味方総崩れ!総崩れ!」
 矢継ぎ早に訪れた混乱しきった報が届くより早く。その知らせを”目視”した高級指揮官の一人がエルヴィング大佐である。

「おいおいおい‥‥あの兄ちゃん死んじまったのかよ!クソッ!常識人の(孺子担当)貴族だったのによぉ!!」

 エルヴィングは舌打ちをしながら強烈に頭を回転させていた。彼はやり手の宇宙軍陸戦隊の指揮官であり、”船一隻と数十本の戦斧”で御家を建て直して名領主であった

「なるほど、なるほどぉ……」
 不安そうに”領主様”を見る副官を無視してエルヴィングはごきり、と肩を回し――
「ばっ‥‥か馬鹿しい、もう付き合ってらんねぇな」
 どさり、と仮設寝台に寝っ転がる。

「閣下、ですが背任は――」

「背任じゃねぇ。通信システムの不具合が数十分続くだけだ。損切りだよ、損切り。これ以上はリューネブルクには付き合えねぇ。奴に全責任をおっ被せて俺は金髪の孺子の側にまわる……グリンメルスハウゼン閣下はそちらに着くだろーしな。
しばらくは莫迦をすり潰す、俺の領地周辺のやつは念入りにな。んで、潮目が変わるのを待つ。消耗戦だが勝つのは俺たちだ。そこは変わらねえよ……宇宙の方は知らんがな」
 そっちが負けりゃそれはそれで美味しいがな、とエルヴィングはニタリと笑う。

「戦場は糞溜めだが今回は肥料にもならねぇ病気持ちどもの糞がひりだされてやがる。それがわかってて突っ込むしかねぇリューネブルク卿と金髪の坊ちゃんにお任せするさ。俺たちの目的の優先順位を変えるだけだ。あのどでかい基地の物資を第三に周辺領土の利権獲得と中央とのパイプ強化を第一、第二とする。だからそうさな、予定通りにあの間抜け共をぶつけてだな――」と伝令将校に何かを囁いた




 のそり、のそり、と突撃発起線に向け壕の中を貴族領兵たちが動き回る。
「来たな!ヴァンフリートのホスト達に見せてやれ、宇宙軍陸戦隊(スペシコ)の仕事というやつをな」
 それを受け止めるのは同盟軍宇宙軍陸戦隊第31強襲連隊である。
「焦るな!敵を引き寄せて重火力隊と連携しろ!再起動させた通信システムの点検を密にせよ‥‥‥数が多すぎるな」
 連隊長、ゴームレー大佐は舌打ちをする。塹壕にこもることは人類の戦
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