そして日々はいとも簡単に壊れ
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創生計画。
ぶっちゃけた話。これについての詳細は知らないのが酒井の本音であった。
ただ知っているのはP.A.Odaの末世対策だという話だけである。具体的に何をするのかなど全く話がされていないので信憑性も定かではない話だ。
それなのにここでその名が出てくるという事は
「……創生計画は三河がP.A.Odaに持ちかけた計画だという事か!」
「ようやく、一つは理解出来たか。まぁ、ここまで言われて気付かない方がおかしいか」
そこまで語り、もう語る事はないと思ったのか彼は踵を返してこちらに背中を向ける。
その隣には終始無言であった鹿角が傍にいた。
その背中に酒井は腰の短刀を引き抜き、一歩近寄ろうとした。
「止めとけ───結ぶぞ」
目の前に蜻蛉切りの刃が出された。
その刃の刀身には上手い事自分が写されている事に気付き呻く。
「我はお前に構っている暇がねえんだよ。―――直ぐにでもK.P.A.Italiaと三征西班牙の部隊がやってくる。これから鹿角と迎撃しなきゃならん」
「……! 馬鹿かお前! そんな事をしている間に地脈炉が暴走したら……」
間違いなく死ぬという言葉は飲み込んだ。
そんな不吉な言葉を……さっきの笑顔を見せた男に言えるものか。
そしてそんな酒井を忠勝はただはっと笑い、振り返る。そこに張り付いているのはさっきと同じ微笑。
その事に酒井は背筋に寒気が走った。
そして忠勝はそんな事は知らないといった感じで謳った。
「忘れたか酒井?我の忠義は殿が望んだことを守り抜き、成し遂げ、ただ勝つ事が我の忠義だ───そこに何故はねぇ。忠義ってのはそんなもんだろ?」
昔から思っていた事だが駄目だと酒井は思ってしまった。
この馬鹿がこういう風にスイッチが入った瞬間にはもう止めれない。
昔からそうだ。この馬鹿の生き様はもう完成されている。こんな鉄のような忠義を叩き壊すことなど不可能だと酒井は確かに知っていた。
「酒井。お前の忠義はたた次へ繋げる事だろう? だったらここはもうお前の居場所じゃねぇ」
「……榊原は、俺たち四天王は常に共にあるって言ってたぜ?」
「ああ。その通りだとも───我らは常に過去の中で共にあるとも。故に我は先に過去になるだけ。ただそれだけだ」
だがらな
「酒井。お前もいずれ来い。そして教えてくれ、創世計画が何だったのかを」
そして
「我らが為したことが末世を、世界を救う一歩になったというのなら」
その時
「我を褒めてくれ」
「ダっちゃん!」
さっき昔の自分ならば後悔するのは無駄と思ったがそれでも思考が止まらない。
今の自分ではこの東国無双を止めることが出来ない事を理解できるが故に歯噛みして
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