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不可能男との約束
そして日々はいとも簡単に壊れ
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三河の郊外に位置する呑み屋の座敷で、三河の警護隊の総隊長である少女、本多・二代は今の状況に思わずふむぅ……と唸っていた。
何がどうなったらこうなるのだと。
実は先ほど、三河に降りてきた今、目の前で騒いでいる人間の一人、松平四天王が一人。酒井忠次に勝負を挑んだのである。
実は父に嗾けられたともいうが、そこら辺は割愛するで御座る。
結果は、自惚れを含めて言えば、勝負の流れという意味なら勝っていたような気がするが

……まさか、最後に尻を触られる余裕があったとは……拙者としたことが……!

まだまだ修行不足で御座るなと未熟の二文字を頭の中で浮かべる。
今、そこで騒いでいる自分の父。
東国最強の異名を持つ本多忠勝ならどうだったのだろうかと思うが、自分は父の本気もそうだが、酒井様の本気も見た事がないので、自分の中の情報では判断は不可能と断じた。
ただ、父は「ふっふーーん! 俺が酒井の馬鹿に負けるわけねーだろ! 割断しまくるんだかんね!」とか以前に言っていた。
割断というのは神格武装である蜻蛉切りの事を言っているのだろうけど、それ、思いっきり遠距離攻撃ばっかりで御座らんかと思うのは、拙者が父を信じなさ過ぎるからで御座ろうか?
未熟という言葉をもう一度脳内に浮かべながら周りを見る。
さっきも説明したようにここにいるのは松平四天王の内の三人。
酒井忠次
本多忠勝
榊原康政
自分で言うのも何だかと思うが、はっきり言えば自分がここにいるのは間違いなのではと思ってしまう―――主に一人だけ話が合わないという点で。
いやいや、だって、五十代頃の男ばかりの集団で、18の少女が話に入れるはずがないで御座ると自己弁護みたいなことを考えるが、当たり前の考えである。
故に自己紹介が終わったら、ただぼーっとしているだけしか出来ないと二代は思っていたのだが

「ダ娘君。君、こっちに来てみない? 君みたいな子が来てくれるとおじさん、かなり嬉しいんだけど」

「え? いや、それは……」

いきなりの申し出。
正直に言えば、かなり嬉しかった。自分は戦闘訓練は積んではいるが、実戦経験は全然積んでいない。
ようはかなり自分の自信に不安な状態であった。
今は三河の警護隊の総長を務めているから、過信ではなく拙者はそこそこのレベルにはなっているので御座ろうと思っている。
そこに元とはいえ松平四天王からの誘い。それはさっきの試しから自分の実力を認めれくれたというのであろうか? それともこれはただの自惚れなのだろうか?
それを隠すことが出来ないというのは、やはり未熟という思いがある。
そこに酒井学長が話を続けた。

「空いている場所は副長補佐だね。ダ娘君みたいな真面目な子だったら熱田も少しは感化されてくれたら……いいんだけどねぇ」

「……熱田、
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