第二百四十九話 義侠心を胸にその三
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「問題ないですね」
「労働人勧や福利厚生は」
「きつく怒られないですし」
「食事も三度栄養のあるものが出ますし」
「ちゃんと寮もあります」
「そうですね、ですからお金のことを大して問題にしないなら」
そうした考えならというのだ。
「いい職場ですね」
「そうですよね」
「だから我々は騒ぐなと言っています」
「何処に問題があるかと」
「このまま働いて欲しいと」
賃上げ反対派はこう言った。
「社長は悪くないです」
「むしろいい人ですよ」
「その社長に言うとか」
「まして今はあちこちが大変だというのに」
「世界中が分かれていますし、しかし」
紅美はここまで聞いて考える顔で話した。
「ここまでいい待遇で給料が安いのはおかしいですね」
「他の会社と比べてやすいです」
「このことは調べてもでした」
「だからあっし等も言ってます」
「もっと上げて欲しいと」
また賃上げ派が言ってきた。
「どうにかして欲しいと」
「あっし等も生活がありますから」
「生きるにはお金が必要ですから」
「そうですね、ではここは社長さんにもお話を聞きましょう」
こう言ってそうしてだった。
紅美は今度は社長と会った、その社長は兎人の中年の男だったが紅美と会社の自室で会って彼女から話を聞いてだ。
苦い顔で紅美に対してこう言ったのだった。
「今は他の待遇までが限度で」
「お給料つまり賃金まではですか」
「余裕がありません」
「そのことは自覚されていますか」
「社員の要求も、ですが我が社も余裕がです」
それがというのだ。
「そこまではです」
「ないですか」
「社内の設備や寮、食事を先にと考えて」
「賃金は最後ですか」
「今はそこまで。平和になり」
そしてというのだ。
「少なくともこの武漢と周りが平和になり」
「賊やモンスターが減ってですか」
「仕事がより順調になれば」
そうであればというのだ。
「より業績が上がりです」
「賃金も上げられますか」
「そう思います」
「そうですか、ではです」
紅美はここまで聞いて述べた。
「すぐにです」
「すぐにといいますと」
「私が行って武漢とその周辺の賊やモンスターを成敗しましょう」
「そうしてですか」
「貴方達の会社が平和にお仕事が出来る様にして」
そうした状況を形成してというのだ。
「そしてです」
「賃金をですか」
「上げられる様にしましょう、貴方の言葉と目に嘘はありませんので」
「私を信じて頂けますか」
「人は言葉にも心が出ますが」
それと共にというのだ。
「目にもです」
「出ますか」
「そして気にも。もっと言えば気にも」
これにもというのだ。
「正しいものが出ていますので」
「だからですか」
「はい
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