第六十一話 ドーナツその九
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「働いていって欲しいわ」
「そうなるわね」
「そう、私埼玉は嫌いじゃないし」
愛個人としてもというのだ。
「そのままきっとね」
「埼玉で幸せにやっていけるわね」
「そうなるわ」
「それじゃあいいわね、お父さんも」
「そうそう、埼玉を馬鹿にしたら埼玉に泣くわよ」
「泣くの」
「そうなるわよ、巨人だって自信満々で西武に向かって」
日本シリーズにおいてだ。
「ボロ負けしてるしね」
「確か四連敗したのよね」
「そうよ、八十三年は凄い死闘だったけれど」
まさに最後までどちらに勝利の女神が微笑むかわからなかった、そうした白熱したシリーズであった。
「八十七年は西武の圧勝でね」
「その次は四連敗ね」
「巨人がね」
そうなったというのだ。
「これがね」
「本当に埼玉は馬鹿にするなね」
「どのシリーズでも巨人は自信満々だったけれど」
絶対に日本一になると言ったがだ。
「それがね」
「負けたのね」
「三度もね」
「それが現実ね」
「そうよ、巨人は球界の盟主面していて」
そうして悪事の限りを尽くしていた、戦後日本はこの巨人の悪行が長きに渡ってまかり通ってきた時代でもあるのだ。
「それでね」
「そのうえでなのね」
「負けてきたのよ」
「そうだったのね」
「埼玉のチームが最強だったのよ」
その西武ライオンズがだ。
「そう思うとね」
「埼玉は侮れないわね」
「そうよ、さいたまアリーナだってあるし」
これもというのだ。
「咲ちゃんの好きなね」
「そこ声優さんの凄く大きなコンサートしてるのよ」
「そのコンサートに行ってる人多いのよね」
「そうなのよ、これが」
咲は真面目な顔で話した、目に熱いものが宿っている。
「本当に」
「それでお店も多いしね」
「賑やかだから」
「決して悪い場所じゃないのよ」
馬鹿にされる様なというのだ。
「それは言えるわ」
「私も埼玉に行くしね」
「咲ちゃんもよね」
「さいたまアリーナはコンサートとかだと入場料が高いから」
「行かないのね」
「そうだけれどアニメ関連のお店とかにはね」
そうした店にはというのだ。
「行きたいともね」
「思ってるのね」
「機会があったらね、秋葉原に行けばそういうのはすぐに買えるけれど」
「あそこは別格だからね」
「日本で一番そういうのが充実している場所だから」
それでというのだ。
「凄いけれど」
「それでもなのね」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
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