第六十一話 ドーナツその八
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「だからね」
「そう言うとなのね」
「そう、江戸っ子とか言ってもね」
「まさにそれで?なのね」
「確かに世界屈指の大都市だけれど」
このことは事実だがというのだ。
「それで?ともね」
「言えるのね」
「こだわってもね」
東京以外で働きなくないと、というのだ。
「そうしてもね」
「意味がないのね」
「もっと言えば東京と埼玉同じ国だったじゃない」
「武蔵ね」
「この国自体が幕府の拠点だったのよ」
その為江戸時代では武蔵守という官位は空席であった、それは徳川将軍であるという暗黙の了解があったからだ。
「それじゃあね」
「東京と埼玉を区別して言うことは」
「意味ないわよ」
こう言い切った。
「もうね」
「そういうことね」
「しかもライオンズどれだけ強かったのよ」
「八十年代から九十年代前半は」
「本物の常勝軍団だったじゃない」
「毎年日本一の」
「もう西武の胴上げは見飽きたとかね」
本気でこう言う人すらいた。
「言われる位ね」
「強かったわね」
「ちなみにそこで他のチームは西武の引き立て役と言って」
こうした発言をしてというのだ。
「言って亡くなってからも恨まれてる人いるわよ」
「野球のことって引き摺るからね」
「嫌いな人が自分の贔屓のチームをけなしたら」
その時はというのだ。
「もうずっとね」
「亡くなってからもなのね」
「恨まれるわよ」
そうなるというのだ。
「怨まれるかもね」
「そんなことでも怨まれるのね」
「まあこの話はさっき散々したから言わないけれど」
怨みの話はというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「野球でもそうなって」
そうしてというのだ。
「当時の西武の強さを思えば」
「埼玉は馬鹿に出来ないわね、さいたまアリーナで声優さんのイベントあるし」
このことは咲から話した。
「何かとね」
「賑やかでしょ」
「ええ、そういうの見たらね」
「埼玉の何処が悪い、でしょ」
「そうよね」
「そういうのだからね」
愛は咲に言うのだった。
「埼玉は問題なしよ」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「叔父さんが考えなおしたらね」
「それでいいのね」
「それでよかったわ」
「じゃあお父さんはこれからは」
「埼玉を楽しんで」
そうしてというのだ。
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