祭の前の静寂
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「ともあれ……一体何のご用でしょうか。もし青雷亭のパンが欲しいと事ならば店に行ってお金を出せば買えます―――この常識、理解できましたか?」
「てめぇは悪意を話すごとに言わなきゃ話せねぇのかよ!」
「いえ、それは言いがかりというものです。自動人形であるP-01sには感情がないので悪意などありません。つまり、私が言っているのは全て事実です」
「こ、こいつ……諦めって言葉を知らねぇな……!」
「では用はないんですね?」
その言葉に待て待てと肩に手を置かれる。
ようやく本題に入るのかと思い、少しだけ無駄な時間を過ごしましたと思いますが、一応相手は人なので少しは聞いてあげないと自動人形としておかしいと思い、彼と目線を合わす。
「ではどうぞ」
「ああ。お前って好きな奴っていんの?」
自動人形の聴覚回路が故障したかと思いました。
だからこそ、混乱を見せないように焦らずに答えた。
「―――は? 何言っているんですか? 馬鹿なのですか?」
「へっ。てめぇの悪意なんぞもう慣れてきたんだ……その程度で俺は揺るがないぜ……!」
「ほほう。器が小さいですね。P-01sはまだ一割も力を出していないというのに」
「え……? マジで……? それはそれで逆にお前の性格は闇色しかないんじゃねぇ……?」
変なものを見る目で見てきたのでその眼をお仕置きしました。
目の間で「目が! 目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」などと目を抑えて転がっている変な人間がいるが問題ないと判断します。
他人を変なものを見る目で見てはいけないと店主さまからも教えられてますと心の中で理論武装する。
そういった人間は憐れんだ目で見てやるんだよと店主さまは教えてくれましたので。
だから、目の前で転がっている人類を憐れんだ目で見ていたのだが、意外と直ぐに復活して立ち上がったので、これには素直に驚いた。
ともあれ、一応話題を戻すことにした。
「一体どういう事ですか? 自動人形に好きな人間がいるかなどと。自動人形には感情はありません。だから、好意はおろか嫌悪、憎悪なども理解できません」
「教科書の答えだろ、それ」
「Jud.ですが、それはつまり、当たり前の答えという事です。貴方は人形相手に愛しているなどと狂った事を言う人間なのですか?」
だとしたならば、速攻でこの場から離れないといけないと判断した。
だけど、予想は微妙に外れた。
「いや、違うぜ。そんなアホみたいな解答をするのは世界最高級の馬鹿だけだろうが」
「……?」
言っている意味が理解できない。
遂に頭がおかしくなりましたかと思うが、それは今更ですしと判断できるので意味がないと判断した。
そして思考をしようにもこの話を自動人形である自分では恐
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