祭の前の静寂
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見下しているわけでもない。
憐れんでいるわけでもない。
ただ笑っているのだ。
だからか、口は勝手に動いた。
「い、一体何を言っているんですか……? 葵が決意? 熱田が戦う? 一体何を……」
「だから俺は言っているんだよ、正純君。君が俺達の側に来てくれることを願っているって」
こっちの言い分を無視するかのように酒井学長は笑って告げる。
まるで、何か幸いなことを喜んでいるようだと思うのは私の気のせいなのだろうかと思い、そして最後に酒井学長は告げた。
「俺はもう老いて何もできないけど……正純君達が馬鹿を何とかしくれたらと思うよ」
多摩の表層部右舷側商店街で浅間、直政、鈴、アデーレが買い物袋を抱えて歩いていた。
「はい。これで明日の打ち上げ用のは確保できましたか?」
「人数分とはいえ……ちょっと買いすぎたんじゃないかねぇ」
「ガ、ガっちゃんや、ゴッちゃんが、……い、いてくれてると、良かった、けど」
私の確認の問いに苦情を言うマサと苦笑するような感情でたどたどしく答えてくれる鈴さん二人に苦笑する。
今は明日の打ち上げ用の食料や何やらを買っている最中なのです。
明日がどうなるかは知らないですけど、でも、きっと最後にはどんちゃん騒ぎになると思うのはただの前向きですかねと思いながら浅間は自分が抱えている袋を見て、ちゃんとみんなの分があるかを再確認をする。
その行為を見て、アデーレとマサがひそひそと何かを話している。
「見てみるといいさね………あの年でもうかーちゃん気質全開だよ」
「本当ですね〜……周りの狂人に色々と辛い目に合っているから精神年齢を上げることによって耐性を上げているつもりなんですかね?」
やかましい。
特にアデーレ。上げているつもりっていうのはどういう事です?
私は認めるのは不本意ですけど、周りよりは精神年齢は高いですし、保身のために言っておきますけど狂ってなどいませんよーう。
そう言いたいのだけど、こういう会話にツッコんだら駄目だというのは長い付き合いからわかっている。
だから、ここは無視の一択だと思い、わざと、まだ無視を続け―――
「そんなかーちゃんアサマチがどうしてあんなリアルヤンキーに恋しちゃったかねぇ……」
足の力を誤ってMAXにしてしまい、左右の力の配分がおかしくなってしまい、こけてしまった。
そのリアクションにアデーレがおお……! とわざとらしく驚いているのを聞くが気にしちゃいけない。
即座に立ち上がって弓を構えてマサに振り替える。
「マ、マサ!? い、いいいいいいいたたたたたたたいいい何言っているんですか!?」
「ヒップホップ調で弓を構えられてもこっちが冷や汗をかくだけさね……」
とか言いつつ表
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