祭の前の静寂
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らく理解は出来ないと判断して本人に聞こうとしたら―――何時の間にか階段を降りようとしていた。
「……!」
全く気付かなかった。
確かに多少意識が逸れていたことは認めるが、目を逸らした覚えはない。
だから、一、二歩なら納得できるのだが、階段までは自分の場所からは自分の足で大股で五、六歩といった所だ。
だからこういう風になるには、自分が考え始めた瞬間に移動をしとかないとこうはいかないと自動人形の計算能力が答えを導く。
その結果から自分の機能が故障してない事を理解する。
だから、逆に現実が自分の計算能力を超えた事で処理が落ちてしまい、呆然としてしまう。
そんな我を失っている中、少年の声が聞こえる。
階段を一歩降り始める音と共に声が聞こえる。
「別に理解し無くていいんだよ。むしろ理解しちゃ困る―――パーティっていうのはサプライズだから面白れぇもんなんだからなぁ」
階段を二つ、三つと降りていく音でようやく現実に復帰する。
擬音ではっという音が付きそうな感じで振り返る。
既に少年の体は半分見えなくなっている。
それでも声は聞こえてくる。
「良かった良かった。これで好きじゃないから振られるならともかく実は好きな人が他にもいましたで振られたら流石にフォロー出来なかったからなぁ……明日は面白い日になりそうだ。」
二つ、三つ。
最早、頭しか見えない。
「本当に楽しみだ―――不可能が世界を動かすことが出来るのか。どうあれ、明日はきっと―――」
一つ。
「お祭り日和であることを―――馬鹿みたいに祈っとくか」
そして彼の姿は見えなくなった。
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