第五百四話 生きもの達を見てその三
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「それこそ」
「そうも言っていられない場合はあるけれど」
なのはの口調は冷静なものだった。
「けれど健全が第一よ」
「だから心掛けている」
紅麗はなのはにも述べた、見れば彼は今もパンダを見ている。
「あの男の様には絶対にしない」
「そうですか」
「最も忌み嫌っているだけにな」
今もそうだからこそというのだ。
「そうしている」
「紅麗さんって根はいい人だよな」
「そうよね」
愛香は総二に応えた。
「怖い感じは戦闘中だけで」
「普段は別にな」
「怖くないしね」
「俺達にも親切にしてくれるよな」
「何かとね」
「それが紅麗の本質なんだ」
小金井も話した。
「色々あって抱えているものも多いけれどね」
「それでもだよな」
「基本的にいい人よね」
「しかも強いしね」
「ああ、それはな」
「烈火にも負けてないわ」
「だから頼っていいよ」
小金井は笑ってこうも言った。
「何かとね」
「ただし怒らせないことでござる」
火車丸はこのことは本気の顔と声で述べた。
「その時は死を覚悟するでござる」
「君紅麗君怒らせたことあるの?」
「拙者自身はないでござるが見たでござる」
ロシアにも真顔で答えた。
「それこそでござったよ」
「鬼とか悪魔とかかな」
「鬼神でござった」
「戦ってる時の紅麗君もかなりだけれどね」
「そこに碇が加わればでござるよ」
「味方でも怖いよ」
月代も真顔で語る。
「本当にね」
「では焼き魚だぎょ!?」
「そうなるだぎょ!?」
「俺達ならそうなるぎょ」
「いや、炭になるよ」
「それで消え去るでござる」
二人でブリ夫、アジ太郎、マグ郎に答えた。
「焼き魚はまだ形があるでござる」
「紅麗様が怒るとそれで済まないから」
「普段の戦いの時よりも遥かにでござる」
「物凄い炎を出すんだ」
「普段でも敵が消し炭なのですが」
幻鬼も真顔で問うた。
「それ以上ですか」
「一瞬でそうなって消え去るんだよ」
月代の顔は恐怖で強張っていた。
「同じ消し炭でもね」
「一瞬、ですか」
「うん、炎が青から真っ白にさえなってね」
「白い炎って一番熱いんですよね」
凪沙も思わず言った。
「その白い炎をですか」
「本当に出すからね」
鬼凛も語った。
「だから怒らせないでね」
「よくわかりました」
「安心しろ、そう簡単には怒らない」
紅麗本人の言葉だ。
「そのことも気をつけている」
「そういえば兄さんが怒ったところは見たことがねえな」
ロム爺はこのことに気付いた。
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