第三章
[8]前話
「あの時はね」
「まあね」
「あの時はそんな時だったわね」
「それで千佳ちゃんも怒ってたわね」
「けれど今はね」
前半戦が終わってというのだ。
「巨人がああだからね」
「正直ざま見ろよね」
「巨人弱くて」
「それでね」
「ほっとしてるわ、もう巨人の優勝はないわ」
千佳は言い切った。
「後はエークラスよ」
「ああ、優勝は諦めてるの」
「カープも」
「そうなの」
「無理でしょ」
絶対にというのだ。
「どう考えてもね」
「まあそれはね」
「今年はヤクルト圧倒的だしね」
「七月失速したけれど」
「それでもね」
「だからね」
そうした状況だからだというのだ。
「もう優勝はないってね」
「千佳ちゃんも諦めてるの」
「今年は優勝は駄目だって」
「それはないって」
「だからエークラスになって」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「クライマックスね」
「それに賭けるのね」
「そっちで勝つつもりね」
「それを目指すわ、まあそこで阪神が出て来ても」
兄のことを念頭に置いての言葉だが今話しているクラスメイト達も阪神ファンであることはわかっている、千佳達が住んでいる神戸も関西だからだ。
「それでもね」
「別にいいのね」
「阪神もエークラスに出ても」
「それでも」
「別にいいわ、ただ勝つのはね」
それはというと。
「カープってことでね」
「そういうことね」
「そう考えてるのね」
「今は」
「ええ、まずはエークラスよ」
千佳はこう言った、ただ内心こうも考えていた。
カープも借金を減らしていこうとだ、阪神がそうしたのだから。
前半の借金完済 完
2022・7・29
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