第143話
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リアの答えを聞いたミュゼはその場で会釈した。
「……第4条と第9条の件も理解しました。次は第7条について伺いたいのですが……これは一体何の為にこのような条約を定めたのでしょうか?俺達シュバルツァー家が将来公爵家に爵位が上がる事は既に存じていますが、エーデルガルトやリシテアの実家まで爵位が上がっている上、”平民”だったフォルデ先輩達まで爵位を与えられているようですが……」
「だったら、先にエーデルガルト達の爵位の事に説明するわね。――――――実は貴方をここに呼ぶ前にレン皇女殿下とプリネ皇女殿下を除いた灰獅子隊の部隊長達全員と個人面談を行っていたのよ。」
「個人面談ですか?面談内容はどのようなものなのか聞いてもいいのでしょうか?」
セシリアの説明を聞いて眉を顰めたリィンは質問を続けた。
「構わないわ。貴方の将来に直接関係しているもの。」
「俺の将来というと………俺が将来クロイツェン州統括領主に就任する件ですか?」
「ええ。既に貴方も知っているように、メンフィル帝国政府は将来の光陣営との全面戦争に備えてクロイツェン州を含めたゼムリア側の外交並びにメンフィル帝国の領土の統治の管理はリィン、今までの戦いでの戦功もそうだけど先日の大戦での戦功でゼムリア大陸にその名を轟かせる事になった貴方に任せたいと考えているわ。」
「……………………」
セシリアの説明を聞いていたリィンは昨日の出来事――――――ヴァンダイク元帥を討った事をふと思い出して一瞬だけ複雑そうな表情を浮かべたがすぐに気を取り直した。
「勿論、貴方一人に”全て”を任せるなんて無茶な事は考えていないわ。外交・領土の統治を行う為には”主君”もそうだけど、主君を支える”家臣”も必要となるわ。」
「………話の内容から察するに、エーデルガルト達との面談内容はエーデルガルト達が俺を支える”家臣”になるかどうかについてでしょうか?」
「簡潔に言えばそうなるわね。ちなみに面談の結果はフェルディナントの正妻として婚約しているドロテアを除けば”全員承諾したわよ。”勿論、その”全員”の中には当然既に貴方の家臣として契約したベアトリース殿も含まれているわ。」
リィンの質問に対してセシリアは驚愕の答えを口にした――――――
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