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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第143話
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ベールが戦争に参加せざるを得なくなった理由はオレ様達の戦争に巻き込まれたというのもあるからな。慈悲深い事で有名なアリシア女王なら、戦争で勝利したとはいえ、”エレボニアの友好国として”敗戦後の連合によるエレボニアの領土割譲の件に口出ししてくることは目に見えているからな。だったら先にこっちが戦争で奪う予定だった領土を”エレボニアの友好国にして不戦条約を提唱したリベールに対する配慮”という意味でも減らしておけば、リベールのような今回の戦争に関して”中立”の勢力の連中も文句を言えないだろう?」

「それは…………――――――第2条の件は理解しました。次に伺いたいのは第4条の賠償金の件、そして第4条に関連していると思われる第9条の戦後のエレボニアに反乱等が起こった際のメンフィル帝国による武力介入の件です。これはもしかして、エレボニアが反乱等で滅亡する事で今回の戦争で勝利したメンフィルが得るはずだった利益――――――つまり、戦争賠償金の回収が不可能になる事を防ぐ為でしょうか?」

ルイーネとギュランドロスの説明を聞いて複雑そうな表情を浮かべたリィンだったがすぐに気を取り直して新たな質問をした。



「ええ。今回の戦争で国力、戦力共に著しく衰退したエレボニアで”新たな戦争”が起これば、”エレボニアが国として滅びる事”は目に見えています。そしてエレボニアが滅びれば、当然今回の戦争でエレボニアが調印する事になるこの条約書もただの紙切れと化し、戦争賠償金等の回収も不可能になってしまいます。………今回の戦争で費やした莫大な戦費の回収もそうですが、貴方もエーデルガルト達から既に知らされている我が国の”思惑”の為にも”戦争賠償金の回収が不可能に陥る事は絶対に避けなければならない事態”である事は理解しているでしょう?」

「………はい。」

セシリアの指摘に対してリィンは複雑そうな表情を浮かべた後静かな表情で頷き

「エレボニアとは対立関係であったカルバードは連合によって滅びた事で他国がエレボニアを侵略するといった事態は少なくても周辺各国の王達が”代替わり”をするまでは起こらないだろう。だが、今回の戦争の件もそうだが内戦の件でエレボニアの国民達はアルノール皇家、政府に反感を抱いていてもおかしくない。そしてそんな者達が現状に耐え切れず暴発して反乱や内戦を起こす事は十分に考えられる。――――――そんな愚か者達を牽制する意味でも、シルヴァン達は第9条を定めたとの事だ。」

「そうですか………ちなみにミュゼは第4条と第9条の件についてどう考えているんだ?」

リウイの説明を聞いたリィンはミルディーヌ公女に意見を求めた。

「賠償金の件に関しては、領土割譲の譲歩の代償、そして内戦でメンフィル帝国に迷惑をかけた件の賠償を無視して戦争を強行したエレボニアの
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