第143話
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「これは…………」
書状に書かれている条約内容を確認したリィンは真剣な表情を浮かべ
「―――――何から聞きたい?今のお前は”エレボニア総督”だ。エレボニアを救う為に今まで我が軍で功績を挙げ続け、その結果俺やシルヴァン達に今までの功績を認められた事で”エレボニア総督”を任命されたお前には”全て”を知る資格がある。遠慮する事なく、何でも聞くがいい。」
「……では恐縮ではありますが、早速自分が抱いた疑問等について問わせて頂きます。まず第2条に書かれている領地贈与の件ですが、戦争勃発前に陛下達がエレボニア帝国政府に送った戦争を回避する為の条約と比べると相当”譲歩”されているようですが………もしかしてヴァイスラント新生軍やアルフィン達のメンフィル・クロスベル連合に対する貢献が関係しているのでしょうか?」
「うむ。お主も知っての通り我が国は”実力主義”。メンフィルに対して”実力”を示し、信頼を勝ち取る事ができれば我らメンフィルはその功績に対して出自関係なく、正当に評価し、相応の礼をする。ヴァイスラントもそうじゃが、アルフィン皇女達もそれぞれ理由は違えど、余達メンフィルの戦友として戦争初期から今までも祖国の兵達を自らの手で葬り続け、祖国の領土が占領されることに手を貸したのじゃから、そんな彼らの努力を無下にする事はできないとメンフィルは判断したのじゃ。」
「――――――私達もそうですが姫様達の”想い”をリフィア皇女殿下を含めたメンフィル帝国の上層部の方々からそのように評価して頂き、光栄ですわ。」
リウイの問いかけを聞いた後早速質問をしたリィンの最初の質問にリフィアが答えるとミルディーヌ公女はその場で恭しく頭を下げた。
「我が国はそれでいいとしても、クロスベルも相当”譲歩”されたのですね?クロスベルは我が国と違い、新興の国家の為、支配する領土は多いに越した事はないと思われるのですが……」
「逆だ逆。”クロスベルは新興の国だからこそ、譲歩する必要があるんだぜ?”」
リィンの質問に対してギュランドロスは苦笑しながら答えた。
「?それは一体……」
「リィン君も知っての通り、クロスベルは他国への侵略によって広大な領土を得たわ。その件からクロスベル帝国はゼムリア大陸の人々からは”侵略国家”として見られる事で警戒されたり、国交の許可を中々出さなかったりと様々な”支障”が出る事が十分に考えられるわ。だけど相応の理由があれば滅ぼす予定だった国が存続する事を認め、制圧した領地の一部を返還する事でクロスベル帝国には慈悲深さや寛大な心を持っている事を世間に印象付ける事ができるでしょう?」
「それとリベールに対する配慮もだな。リベールは今回の大戦では協力したとはいえ、”不戦条約”を提唱したリ
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