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ハネムーンの場所は
第二章
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 二人で洋の実家で顔を寄せ合って話していると洋の妹の円高校生で金髪にした髪の毛を伸ばし派手めのメイクをしたやんちゃそうな彼女が言ってきた。
「折角決めても跡で離婚とかするわよ」
「いや、それ言う?」
「結婚する前から離婚って」
「人間何があるかわからないからね」
 巴は離婚と聞いてむっとなった二人にあっけらかんと返した。
「ずっと一緒にいられるなんてね」
「わからないって言うんだ」
「そうよ、だからね」
 それでとだ、巴は兄に話した。ラフな服装から発育のよさが出ている。
「あれこれ考えて決めて離婚して」
「それでなんだ」
「後で何かと思ったりもするから。私だってね」
「お前も?」
「別れた彼氏を何処行こうか話したのよ」 
 付き合っていた頃にというのだ。
「それで別れてね、今は別の彼氏と付き合ってるけれど」
「その経験から言うんだな」
「そうよ、あれこれお話して行って思い出になっても」
 その時はそうでもというのだ。
「後で別れてどう思うか」
「嫌な別れ方だと嫌な思い出になるか」
「その時はよくてもね、けれどあっさりと決めた場所は」
 二人でじっくり話さずにというのだ。
「そういえばあそこに行ったわねってなるから」
「あっさりとした思い出になるか」
「そうよ、悲しい別れ方だとね」
「どちらか先に亡くなってか」
「離婚じゃなくてもそうもなるでしょ」
 この場合もというのだ。
「若くしてとか」
「それはな」
「あるわね」
 二人共否定出来なかった。
「実際に」
「そうだね」
「その時は悲しい思い出になるわよ、これは今の彼氏の叔母さんが言ってたの」
「そうなるな、言われてみると」
「今はよくても」
「それでもいいなら別だけれど」
 妹は兄とその婚約者にさらに言った。
「将来何があるかわからないってことは覚えておいてね」
「言われてみたら」
「確かに」
 二人も巴の話を聞いてだった。
 それならとなってだ、そしてだった。
 もうあれこれ決めなかった、二人でこれはという場所があったらそこにしようとなった。そして選ばれたのは。
「ハワイがいいかな」
「そうね、日本人も多いし」
「それじゃあね」
「あそこで式挙げて観光旅行しましょう」
 ハネムーンはそこだと決めた、そしてだった。
 二人はハワイで式を挙げて新婚旅行を楽しんだ、そして二人は金婚式を迎えるまでに長く続いたのだが。
「あの時あっさり決めてよかったね」
「円さんの言う通りね」
「あいつはあいつで結婚して幸せに過ごしてるけれど」
「式にハネムーン旅行といってもね」
「あれこれ考えるよりも」
「あっさりでいって本当によかったわね」
 年老いた二人は笑顔で話した、ハワイのことはあっさりとではなく楽しい思
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