骸骨と姫
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をしている骸骨のところへゆきました。
「姫様」
骸骨が振り返ります。
「わたしに作らせて」
お姫様は息をはずませて言いました。
「いけません」
「どうして!」
「あなたのお手を、傷つけたくないのです」
「傷ついたって、いいわ。ねぇ、わたしに作らせて」
骸骨は、手を止めお姫様の近くにきて、お姫様の顔を覗き込むと言いました。
「わかりました」
その言葉に、お姫様はおひさまのような輝く笑顔を浮かべました。
「ほんとう?ほんとう?やった!おいしいの、つくるからね。おいしくなくても食べるのよ。もちろんおいしいとは思うけれど」
「もちろん、あなたの作るものであれば、おいしいでしょう」
「そうでしょう?」
「ですが、さきにわたしが作ってしまったぶんがありますから、姫様はそちらを召し上がって下さい。わたしは、姫様に作って頂いたぶんを今日の食事にさせて頂きます」
「うん、いいわ!まず、なにをすればいいの?」
「そうですね、まずは、手を洗いましょうか」
さてそうしてお姫様が作ったお食事と、骸骨が作った料理を見比べて、お姫様は首を傾げます。
「ねぇ、なにか、違う気がしない?」
「ええ。姫様の作られたもののほうが、おいしそうですね」
「そう?」
褒められてお姫様も満更ではございません。なにせ、生まれて初めて作った料理なのですから。
「でも、なにかわたしの料理、黒いし量がとても少なくなってしまったわ。作る前はあんなに沢山あったのに」
「料理は作る前より作ったあとの方が少なくなってしまうこともままあるのですよ。黒いのが気になるようでしたら、次は彩りに気をつけて一緒に作りましょうか」
「うん!」
お姫様はにこにこと笑いました。料理が出来たのも嬉しいのですが、なにより、骸骨が「次」と言ってくれたことが嬉しかったのです。
「では、冷めないうちに頂きましょう」
「うん」
そうは言ってもお姫様は食器に手をつけません。
おそるおそる、食い入るように骸骨の手元を見つめています。
骸骨はフォークをさくりと姫様が作った料理に突き刺すと、それを口元に運びました。
さくさくと、骸骨の咀嚼する音だけが部屋の石壁に反響します。
「ど、どう?」
「おいしいです。とても」
「本当!?」
お姫様は飛び上がらんばかりに喜びました。
「本当です」
お姫様は、やっと骸骨の作ってくれた料理に手をつけました。いつも以上にとてもとてもおいしく感じました。
骸骨はそんなお姫様を見て、満足そうに頷きました。
お姫様の料理は骸骨の顎の骨をすり抜けて、ぱらと床に落ちました。
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