第十四部
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9月になって、お父さんが
「香波 式はどうするんだ もう、そろそろ予約しとかんとなー」
「えぇ でも、まだ、巧となんにも・・」
「あいつは そーいうところ 気が回らんからなー そーだなー 平安神宮で和装で式だけを挙げて、その後、ホテルで洋装にするってのはどうだ なぁ 聡」
「そうですね 香波ちゃんの一度のことですものねー 白無垢も見たいし、打掛姿も映えるでしょうし ドレスも素敵よねー」
「じゃぁー 全部 着ればいいじゃあないか」
「あのー お父さん 私 巧と相談しなきゃー それに そんな贅沢できませんし・・」
「あぁ 相談しろ でもな ワシの娘なんだから 少しは、ワシ等の夢も叶えさせてくれ 香波にも一生の思い出になるんだから・・」
「そうよ 香波 私はあてになんないんだから その分 お父様達に夢をあげてちょうだい 遠慮しなくていいわよ 香波のきれいなの見たいんだから お父様の贅沢と思ってね」と、聞いていたお姉ちゃんも言ってくれていた。
私が、巧に切り出した時
「そーだなー 何にも考えてなかったなー そろそろだよなー 式のこと 新居のこと それと、子供はどうすんのかとか」
「うん お父さんから 早く 決めろって言われちゃった」
「そうかー あの人のことだから 質素にって言っても無駄だろうな だけど、そんなに金無いしなー」
「あのね 嫌かもしんないけど・・私 いくらか貯金あるよ それと、お母さんが貯めてくれていたのも 使いなさいって言ってくれた」
「そんな訳にもいかんだろー それは、香波になんかあった時の為においておこうよ それに、この前、帰った時、お母さんが結婚するんで必要になるだろうからって、いくらか貯めていたお金を使いなさいって言ってくれた」
「あのね それこそ 私達が使ってしまう訳にいかないじゃぁない! もっと 話あおうよ 出来るだけ二人で納得することを」
「そうだな 香波 しっかりしているよなー 頼りになるよ」
「バカ 巧が こういうことになると ぼーっとしてるんだからー もっと 厚かましくなってもいいんじゃぁない 私にも・・ 君のお嫁さんだよ」
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