第三十話 部活をしてその六
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「考え方もね」
「だから赤穂浪士もなのね」
「そうした考えでね」
「仇討ちしたのね」
「そうだったのよ」
娘に確かな顔で話した。
「敢えてね」
「全員切腹覚悟で」
「それで仇討ちをしたのよ」
「そういうことね」
「あんたから見てもお母さんから見てもとんでもない行いだけれど」
集団暴行にしか見えないがというのだ。
「それがよ」
「当時はそれが素晴らしい行いで」
「喝采されたのよ」
「江戸時代は」
「それで歌舞伎や浄瑠璃になって」
そうしてというのだ。
「映画やドラマにもなったのよ」
「映画とかドラマでも多いわよね」
「もう色々な人が出たわ」
その映画やドラマにというのだ。
「今でもやってるでしょ」
「お陰で私も知ってるわ」
「今でもやってる位だから」
それでというのだ。
「当時はもっとよ」
「素晴らしい行いだって思われていたのね」
「そうだったのよ」
「成程ね」
一華も納得した顔で頷いた。
「そういうことなのね」
「そうよ、あと吉良さんはね」
この人の話もした。
「あの人隠れてたってあるわね」
「ええ、討ち入りの時ね」
「実は隠れていなかったのよ」
「そうだったの?」
「自分も戦ったのよ」
隠れたりせずにというのだ。
「そうだったのよ」
「そうなのね」
「それでもね」
戦ったがというのだ。
「衆寡敵せず、奇襲も受けたし」
「夜討ちだからね」
「吉良家も来るとわかっていてね」
彼等も赤穂浪士が来ると考えていてそうしていたのだ。
「何時か何時かと思っていたのよ」
「それで攻めてきて」
「吉良さん本人もよ」
「戦ったのね」
「けれど本当に奇襲でね」
それでというのだ。
「相手は真っ先に弓矢切ってよ」
「弓の弦を?」
「そう、飛び道具を使わせない為にね」
「用意周到ね」
「計画していたのよ」
討ち入りを何としても成功させる為にだ、赤穂浪士達はまさにその討ち入りに己の命も誇りも賭けていたのだ。
「そしてよ」
「そのうえでまずはだったのね」
「飛び道具を駄目にしたのよ」
「考えてるわね」
「鉄砲はなかったからね」
「あっ、江戸には」
一華は言われてはっとなった。
「中学の歴史の教科書でもあったわ」
「入り鉄砲に出女でしょ」
「江戸から出る女の人とね」
「入る鉄砲は特に注意していたでしょ」
「幕府はね」
「江戸の街には鉄砲はまず持ち込めなくて」
全て幕府を守り江戸の街の治安を維持する為である、江戸幕府の統治は兎角細かいところまで考えていたのだ。
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