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ハッピークローバー
第三十話 部活をしてその五

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「今は言わないでしょ」
「昔はそう言ってたのね」
「結構マスコミがあれこれ言うけれど」
「マスコミって鵜呑みにしたら駄目よね」
「騙してくる場合もあるからね」
「適当なこと言ってね」
 一華も言った。
「ネットでよく言われるわ」
「昔は新聞やテレビは嘘を吐かないってね」
「言われたのよね」
「だから皆信じたけれど」
 そうした時代もあったのだ、偉大な漫画家藤子不二雄先生の作品でもマスコミ関係者はおおむね正義であった。知性も素晴らしい方々であったそうした方々でも時代の人であったということであろうか。
「今は違うでしょ」
「普通に嘘吐くってね」
「あんたも思ってるわね」
「ええ、だって実際にね」
 一華はスコッチエッグを食べつつ答えた。
「新聞平気で嘘吐いてるしテレビもね」
「同じでしょ」
「何か流行してるとか言うものが」
「実際はでしょ」
「流行してないことなんてね」 
 そうしたことがというのだ。
「ざらにあるし」
「そうでしょ」
「誰も知らない様なお鍋が全部の世代で一番人気だという統計とか」
「あるでしょ」
「そういうのあるから」
 だからだというのだ。
「私もよ」
「マスコミ信じないのね」
「新聞は嘘吐かないんじゃなくて」
「嘘を吐くものね」
「そう思ってね」
 そのうえでというのだ。
「むしろネット観てるわ」
「お母さんも同じよ」
 母は娘に確かな声で答えた。
「昔はこれでもよ」
「マスコミ信じてたのね」
「新聞とかテレビとか雑誌をね」
「そうだったのね」
「特にテレビをね」
 こちらの媒体をというのだ。
「そうだったのよ、けれどね」
「今はなのね」
「もう全くね」
「信じなくなったのね」
「そうなったわ、昔は違ったのに」
 それがというのだ。
「今はそうよ、学校もお母さん達の頃とは違うし」
「そうなの」
「あんたの学校もよ」
「八条学園もなのね」
「そうよ、校風は変わっていないけれど」
 それでもというのだ。
「色々設備も増えて校則もね」
「変わってるのね」
「制服の種類も増えたし」
「そうなの」
「学校も変わったわ」
 八条学園もというのだ。
「そうなったわ」
「そうなのね」
「昔と今じゃね」
「学校も違うのね」
「そうよ、何でも昔と今じゃ違うのよ」
 こう娘に話した。
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