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おっちょこちょいのかよちゃん
222 休息中の襲撃
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・・!」
「まずいぞ!能力を使う気だ!」
「親分!某が囮になります!」
「石松!」
 石松は左目の眼帯を外した。大物主神の能力(ちから)を利用する。ムラト1世のアラーの能力(ちから)である白い光と石松の大物主神の能力(ちから)がぶつかり合う。
「突破するのはこの私だ!」
「某の能力(ちから)をなめるな!」
 アラーの裁きの光が石松を襲う。だが、大物主神の蛇も応戦し、裁きの光を噛み消した。
「今だ!留めを刺せ!」
「うん!」
「おう!」
 吉良の仁吉がムラト1世を持ち上げて投げた。ムラト1世は投げられた事で神を操る能力(ちから)への集中力が途切れてしまった。
「武器を使わぬ肉弾戦なら平気だな!」
 そしてかよ子が次郎長の刀に杖を向け、杖を剣に変化させた。ムラト1世の胸を突き刺し、斬る。
「これで終わりだよ!」
 ムラト1世は光となって消えた。
「・・・杖を使ったけど、体が動く・・・?」
「ああ、ムラト1世を倒したからであろう。呪いが働かなくなった」
 そして動きを封じられていた大政やブー太郎、関根も動けるようになった。
「山田、ありがとうブー」
「お前のお陰だ。礼をする」
「あ、いや、私は・・・」
「でも、お主の武装の能力(ちから)や石松の能力(ちから)で倒せたのだ。謙虚になる必要はない」
「う、うん・・・」
 その時、かよ子は石松が体力を消耗している様子を見た。
「石松、大丈夫!?」
「あ、ああ・・・」
 以前、石松はカール5世との戦いでも神を操る能力を使用した結果、かなり疲弊した事があった。
「私の羽根に乗って!歩ける?」
「ああ、申し訳ない」
 皆もまた羽根に乗り、石松を心配しながら進む。

 妲己は杯の持ち主の少女を連れて紂王の屋敷へと戻って来た。守衛が出迎える。
「妲己様、お帰りなさいませ。その小娘は一体・・・?」
「ああ、あの坊やの嫁として連れて来た。そしてこの小娘が持っているのが世界で四つしかない最大の能力(ちから)を持つ道具の一つ・杯だ」
 妲己は杯を見せた。
「これが・・・」
「ああ、まあ、この小娘に部屋を一つ貸してやらないと・・・。そして逃げられないように」
 妲己は屋敷の中へと入るのであった。
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