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夢幻水滸伝
第二百四十八話 石と共にその八

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「そしてです」
「安徽省の統一も」
「見えてきました」
「何でもです」 
 市長は王にここでもこう話した。
「まずはです」
「やってみることですね」
「それでわかりますし」
「はじまりますね」
「王様も格闘は」
「柔道もですね」
「最初は何もご存知なく出来るかもですね」
 王に対して問うた。
「そうですね」
「面白そうなのではじめましたが」
「そこからでしたね」
「最初はです」
 まさにとだ、王も答えた。
「何もです」
「そうですね、ですから政も」
「それもですね」
「やってみることです」
「出来ないと思うのではなく」
「やってみようですね」
「まことにそうですね」 
 王はしみじみとした口調で応えた。
「以後その様にしていきます」
「そうして頂けるとです」
 市長は王にこうも言った。
「私達も有り難いです」
「政のことで」
「いい政をして頂くと」
「国は豊かになってですね」
「幸せになりますので」
 だからだというのだ。
「宜しくお願いします」
「それでは」
「政だけじゃないですね」
 こう言ったのは受付の女だった。
「何でもまずはです」
「やってみることですね」
「出来ないと思わず」
「はじめることですね」
「そうすればです」 
 それでというのだ。
「得意不得意もわかりますし」
「やってみてこそですね」
「はい、自分のこともわかりますね」
「確かに」
「そして最初は誰も出来ないですが」
 それでもというのだ。
「諦めないで」
「やっていけばですね」
「上達しますね」
「確かに。僕も柔道は最初は」
「出来なかったですね」
「受け身すら」 
 これすらというのだ。
「出来ませんでした」
「柔道で受け身は初歩の初歩ですね」
「はい」 
 このことはその通りである、柔道はまず受け身からはじまる。これが出来なくては投げられた時その衝撃がそのまま身体にくるのだ。
「ですがそれもです」
「出来なかったのですね」
「そうでしたし何も知りませんでした」 
 はじめた頃はというのだ。
「畳の上でする位しか」
「柔道はそうですね」
「間違っても受け身を知らない人を床の上で投げてはいけません」 
 王はこうも言った、尚これは彼が起きた世界の奈良県で中学校の教師が実際に行ったことである。当然ながら暴力である。
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