第六十一話 ドーナツその五
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「咲ちゃんも飲んでね」
「それじゃあね」
「あと叔父さん最近お酒飲む量減った?」
酒の話でだ、愛は咲に彼のことも尋ねた。
「埼玉転勤になって結構飲んでたらしいけれど」
「憂さ晴らしでね」
「落ち着いたの?それで」
「うん、最近はね」
咲は愛に紅茶を飲みつつ答えた、まだドーナツはありそちらも食べているが紅茶の量は多く意識して飲んでいる。
「もう受け入れていてね」
「それでなの」
「お酒飲まない日も出て来たし量もね」
「減ったのね」
「そうなったわ、いや毎日埼玉は嫌だとかね」
「飲みながら言ってたのね」
「東京から離れるのかとかせめて神奈川とかね」
その様にというのだ。
「言ってたのよ」
「よっぽど埼玉嫌だったのね」
「じゃあ千葉はって聞きたかったわ」
咲は冷静に述べた。
「お話聞いてて」
「東京神奈川ってくるとね」
「千葉もよね」
「千葉馬鹿に出来ないわよ」
この県もというのだ。
「自衛隊の基地だってあるしね」
「下総とか習志野にね」
「それに甲子園の優勝校もあるし」
「マリンズもあるし」
「千葉県は馬鹿に出来ないわよ」
この県もというのだ。
「というか埼玉だって政令指定都市でライオンズあるわよ」
「そうよね」
「だからね」
それ故にというのだ。
「そんなことはね」
「言っても仕方ないわよね」
「そうよ」
愛はこの言葉は素っ気ない調子で述べた。
「というか埼玉に何か偏見がね」
「あるわよね」
「叔父さんはね、漫画じゃないから」
愛はきっぱりと言い切った。
「埼玉は田舎じゃないわよ」
「大都会よね」
「東京都地続きでしょ」
「完全にね」
「これは神奈川や千葉も同じよ」
そうして首都圏を形成しているのだ、日本版メガロポリスと言ってもよくそこに埼玉県も入っているのだ。
「完全に東京都地続きだから」
「大都会よね」
「さいたま市は政令指定都市だしね」
そうもなっていてというのだ。
「大都会よ。しかも東京から簡単に行けるじゃない」
「特に私達が住んでいる足立区はね」
「それならいいじゃない」
まさにというのだ。
「何で嫌なのよ」
「埼玉が」
「結構群馬とかもネタにする人いるけれどね」
「秘境扱いにする人いるわね、群馬は」
「群馬もそんなに悪いと思わないわよ」
この県もというのだ。
「私はね」
「そうなのね」
「それで埼玉なんかは」
「大都会ね」
「カラオケも居酒屋も一杯あって」
そうした楽しむ場所もというのだ。
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