第四幕その十二
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ここでお静さんはこうも言いました。
「神戸で服はおかしいかしら」
「ああ、服なら京都だね」
「大坂は食いだおれ、神戸は履きだおれでね」
「京都は着だおれだね」
「そう言うからね」
「神戸は靴だね」
先生は今自分達がいるその街のことを言いました、もうこの街のことも学んでとてもよく知っています。
「そうだね」
「昔からね」
「それがこの街でね」
それでというのです。
「靴ならね」
「もう神戸よ」
「そうだね」
「それで食べものはね」
「大阪でね」
あの街でというのです。
「そしてね」
「服は京都だね」
「だからね」
「そうだね、しかし京都の服は」
「高いわ」
お静さんは少し苦笑いで答えました。
「京都の服っていったらね」
「呉服だからね」
「そう、日本の着物だから」
それでというのです。
「生地は絹で」
「それも上等の」
「しかもよ」
上等の絹に加えてというのです。
「西陣織でね」
「色合いもね」
「物凄いからね」
「もうその値段ときたら」
「嘘みたいよ」
そこまで高いというのです。
「本当にね」
「そうしたものだからね」
「困るわ、けれどね」
「贈りものにするならだね」
「いいものにしたいから」
それでというのです。
「私もね」
「考えているんだね」
「いいものをってね」
その様にというのです、こうお話してです。
先生達はプレゼントのお話をしていきました、それは先生達にとってとても大きなそして素晴らしい思い出になるものでした。
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