第一章
[2]次話
トイプードルは長生き
ふわりは必要な時だけ吠えない、その為彼女の飼い主である国咲家の面々は飼い犬が吠えるということについて困ってはいない。
だがここで夫の文太が言った。
「トイプードルは結構吠えるからな」
「小型犬ってそうだよな」
息子の洋介が応えた。
「結構吠えるよな」
「しかも元々狩猟犬だ」
父は息子にこのことも話した。
「だからな」
「よく吠えるんだな」
「しかしふわりは賢いからな」
だからだというのだ。
「必要な時だけだ」
「吠えるんだな」
「そうした娘なんだよ」
「そうだな、犬によってはずっと吠えるからな」
「だからあの馬鹿共は捨てたんだ」
ふわりの前の飼い主達のことも話した。
「あの連中もな」
「そうだよな」
「馬鹿は犬がどうして吠えるかもわからないんだ」
「性格が変わったって思っただけだな」
「性格が変わったから捨てるんだったらな」
そんな考えではというのだ。
「子供もだ」
「育てられないな」
「それまで可愛がっていた犬にそうするんならな」
「だから実際に下の娘生まれて上の娘ほったらかしにしたんだな」
「そういうことだ」
「結局ずっとふわりを育てられる連中じゃなかったんだな」
「ああ、そしてな」
洋介はさらに話した。
「トイプードルは長生きするぞ」
「そうらしいな」
「犬は結構種類で寿命の違いがあるんだ」
父はこのことも話した。
「それでだ」
「トイプードルは長生きする種類なんだな」
「そのうちの一つなんだ」
こう話した。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ