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駅から歩いて15分程。巧の実家は国道沿いで、数台の車が並んで、大きなシャッターの建物がある裏手の方にあった。お盆休みなのだろうシャッターも降りていた。
横手の方から、玄関に回って、扉は網戸になっていた。
私は、お姉ちゃんの見立てで白の綿のフレァーなワンピースを着ていた。サンダルも白いものをお姉ちゃんがこの日の為に買ってくれたのだ。出来るだけ、清楚で若いふうに見せた方がいいよと、お化粧も薄くリキッドファンデーションを伸ばしただけにした。
「ただいまー 帰りましたよー」と、巧が元気な声で網戸を開けて・・。
「お帰りなさい 暑かったでしょ ご苦労様」と、中から若い女の人が迎えてくれた。多分、お兄さんのお嫁さんなんだろう。赤ちゃんを抱きながら、出てきた。それと、その後ろから小さな男の子がお母さんのスカートを掴みながら・・。
「まぁ 可愛らしい人ね びっくりした 巧さん この人なのー 若ーい」
「帯屋香波と申します」と、頭を思いっきり下げていた。
「おぉー よく来たなぁー」と、その時、後ろから大きな声がしてきた。振り返ると、真っ黒に日焼けして、油に汚れた作業服の男の人。私は、びっくりしたこともあって、巧の腕を思わず掴んでしまっていた。
「あっ すまんなー 驚かせてしまっていたか 兄の剛《つよし》です」
「いきなりなんでな 仕事してたの?」巧もびっくりしたのか
「あぁー 少し工場の片付けを 巧が来る前にと思ってな まぁ あがれよ お母さんも待っているぞー」
中のリビングダイニングに通されて、お母さんが椅子に座っていた。
「香波 お母さんは、足が悪いから、座ったままでな お母さん、帯屋香波さんだよ」
「帯屋香波です よろしくお願いいたします」と、又、思いっきり頭を膝に付くくらい下げていた。
「まぁ まぁ あがのとこによーおこし かえーらしいことよ」
「嫁の恭子です こっちは 満 3歳 そして この娘は渚 8か月よ あのね お母さんもあなたのこと 可愛らしいって言ったのよ」と、お嫁さんも挨拶してくれた。
そして、ダイニングにみんなが座って、ビールを継がれていた。
「じゃぁ とりあえず 乾杯じゃ」と、お兄さんの音頭で始まった。私は、少し口をつけただけでグラスを置いていたら
「なんじゃ 香波さんは苦手なのか? 遠慮せんでいいぞー」
「あのー 私 まだ・・」
「兄貴 香波はまだ19なんじゃ」
「えー そうかー 若いなーとは思っとんじゃが やっぱり、そうなんかー いや 本当は高校生ぐらいに見えてたんよー」
「そう 私もね 見た時 びっくりしちゃった 巧さん よく こんな可愛い人見つけたわね」
「いや たまたま 会ったんだ でも、結ばれて
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